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国防部「哨戒機が近接すれば軍事的措置」日本に説明していた

登録:2019-04-22 21:36 修正:2019-04-23 07:32
1月に駐韓日本大使館武官を呼び軍事措置基調説明 
最近開かれた防衛省との非公開実務協議でも繰り返し確認 
「作戦の細部手続きなど、対応マニュアルは日本に公開せず」
ソ・ウク合同参謀作戦本部長(陸軍中将)が、国防部のブリーフィングルームで日本哨戒機の“威嚇飛行”の事実を発表している=国防部提供//ハンギョレ新聞社

 日本の哨戒機が韓国の艦艇に近接飛行する場合、軍事的措置を取ると韓国国防部が警告し、日本政府が撤回を要求していたことが22日明らかになった。昨年12月20日、東海で韓国の広開土大王艦と日本の哨戒機の間で起きた追跡レーダー照射-近接威嚇飛行に関連して生まれた韓日葛藤が、再発防止対策をめぐり再燃しそうだ。

 国防部関係者は「1月23日、駐韓日本大使館武官を呼び、日本の哨戒機が再び近接飛行で韓国の艦艇を脅かした場合、追跡レーダーを稼動する前に警告通信をすると警告した」と明らかにした。どこまでが近接飛行に該当するかは説明しなかったが、日本の哨戒機が韓国の艦艇から3海里(約5.5キロメートル)以内に接近すれば警告通信をするとのことだ。

 追跡レーダーは、艦艇から対空武器を発射する前に標的の距離と高度などを把握するために標的を追跡しながら照射するものだ。軍ではこれを追跡レーダーが標的に食いついたと表現する。艦艇がこれを稼動するということは、交戦が差し迫ったことを意味するので、国際法でも使用を厳格に規制している。この関係者は「当時は日本の武官に対し、日本側が低空威嚇飛行を中断し、再発防止対策を講じることを明確に要求する席であった」と説明した。

 日本政府は、これを哨戒機に対して火器管制レーダーを照準することがありうるという意味で受けとめ、撤回を要求したという。日本が言う火器管制レーダーは、国防部が言及した追跡レーダーを指す。日本防衛省は10~11日、韓国国防部との非公開実務協議会で、友好国に向けた火気管制レーダーの稼動は国際慣例にも反するとして撤回を要求したが、国防部は立場を守ったと伝えられた。国防部関係者は「当時、国防部は近接飛行が再発してはならないという点を強調した」と話した。

日本海上自衛隊のP3C哨戒機//ハンギョレ新聞社

 これに先立って読売新聞は「韓国軍の新指針、安保協力に影」という見出しで「日本の軍用機が韓国の艦艇から3海里以内に接近すれば、射撃用火器管制レーダーを照射すると、韓国政府が日本政府に通知した」と報道した。新聞は「該当指針は米国を除くすべての国家に適用されるとし、韓日関係が悪化する中で韓国が日本に対して強硬な姿勢を強調するために取った措置と見られる」と解説した。

 これに対し国防部は立場文を出して「韓日間の海上における偶発的衝突防止のために、韓国軍の軍事的措置と基調について日本側に説明した事実はあるが、作戦の細部手続きなど対応マニュアルを日本側に通知した事実はない」と明らかにした。国防部関係者は「日本政府が、非公開とすることにした内容を公開したことに遺憾を表する」と話した。

 国防部はこの日、日本のマスコミの報道に関して午前と午後にそれぞれ異なる説明をし、混線をきたした。午前のブリーフィングでは「対応マニュアルを通知したことはない」としたが、約3時間後には「軍事的措置と基調を説明した」と訂正した。日本政府に軍事的措置の内容を説明しておきながら、対応マニュアルを通知したことはないという言葉で蓋をしてしまおうとしたわけだ。

 国防部は、昨年12月20日に東海で北朝鮮の船舶を救助していた韓国海軍の広開土大王艦が日本の哨戒機に向かって火器管制レーダーを稼動したと日本が主張すると、哨戒機の近接威嚇飛行問題を提起し、その後に対応指針を補完した。新しい指針は、外国の哨戒機が韓国艦艇と一定の距離内に進入した時に送りだす警告通信の文面を強化し、艦艇に搭載された対潜水艦探索用リンクス・ヘリコプターを機動し、武器システムを稼動する方案などを含んでいたことが分かった。

ユ・ガンムン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/891010.html韓国語原文入力:2019-04-22 19:43
訳J.S

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