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機務司令部、2014年地方選挙の勝利ために「セウォル号遺族監視」を計画

登録:2019-04-16 09:44 修正:2019-04-16 11:57
検察「セウォル号不法査察」で機務司令部事件に決着 
当時の大統領府秘書官2人と機務司令部幹部2人を在宅起訴 
2014年地方選挙を控え、セウォル号遺族を監視 
予備役動員して「弾劾反対」活動…予算3千万ウォンを使用 
「李明博大統領府」もコメント指示、秘書官らを起訴
旧国軍機務司令部/聯合ニュース

 旧国軍機務司令部(現軍事安保支援司令部)の元参謀長や大統領府秘書官らが、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政府当時、オン・オフライン上で政治に関与する活動をした疑いで起訴された。朴槿恵政府当時、機務司令部はセウォル号遺族を査察し、6月4日地方選挙(2014年)の与党の勝利に向け遺族の政府批判を「監視」する計画を練った。

 ソウル中央地検公安2部(部長キム・ソンフン)はこの日、機務司令部元参謀長だったチ・ヨングァン、イ・ボンヨプ氏と大統領府の元ニューメディア秘書官だったキム・チョルギュン、イ・ギヨン氏の4人を職権乱用権利行使妨害の容疑で在宅起訴することで今回の事件に決着をつけた。検察は昨年、ペ・ドゥクシク元機務司令官とキム・デヨル元参謀長を裁判に引き渡した。

■機務司、地方選挙勝利のためにセウォル号遺族を監視

 検察によると、チ元参謀長は機務司の部隊員らにセウォル号遺族の査察と「THAAD(高高度防衛ミサイル)配備賛成」「朴槿恵大統領弾劾反対」のための世論づくりを指示した。これに従い部隊員たちは、セウォル号惨事の直後から政府と大統領府の6・4地方選挙の勝利に向けてセウォル号遺族の政府批判を「監視」し、与党の勝利に向けた「選挙戦略」を立てた。当時機務司令部が作成した報告書には、セウォル号惨事が近く行われる地方選挙に及ぼす悪影響を懸念し、「セウォル号遺族の政府批判を監視する」計画が書かれていることが調査で分かった。また、大統領と与党の支持率を上げるための選挙戦略を講じる内容も書かれていた。

 機務司令部の部隊員たちは、セウォル号遺族の動静や性向などを査察したりもした。セウォル号遺族の生年月日、学歴、インターネットでの物品購買の内訳など詳細な個人情報だけでなく、「政治性向」「政党党員かどうか」「過去の発言をもとに穏健派かどうか」など、遺族の政治的な“色”を検証する内容まで含まれていた。

 チ元参謀長は2016年8月から11月まで、予備役将軍および団体に対し、THAAD配備に賛成して朴前大統領の弾劾に反対するなど世論造成活動をさせ、そのために機務司令部の情報事業予算3000万ウォン(約300万円)を使用した。機務司令部は「左派勢力」というタイトルで盧武鉉(ノ・ムヒョン)財団やムン・ソングン氏の「百万本の国民の命令」などを「新左派団体」に、民主党・進歩新党などを「左派政党」に、民主労総・全教組などを「従北(北朝鮮を盲目的に支持)・左派団体」と規定し、彼らのオンライン活動を分析し対応した。

■李明博大統領府秘書官2人、機務司令部と共謀し政治関与

機務司令部の“政治関与活動”は、セウォル号惨事の前の李明博政府時代にも活発だったことが明らかになった。検察はこの日、李明博政府当時、機務司令部にいわゆる「スパルタチーム」を設置し、部隊員らがコメント書き込み活動を行わせた大統領府のニューメディア秘書官とイ・ボンヨプ機務司令部参謀長など3人も職権乱用の疑いで在宅起訴した。

 キム・チョルギュン、イ・ギヨン元秘書官は、ペ・ドゥクシク元機務司令官と共謀し、機務司令部内に「スパルタチーム」を立ち上げ、コメント書き込み活動をするよう指示した疑いが持たれている。彼らは2011年7月から2013年3月まで、機務司令部部隊員らがオンラインに政治に関与する文章を書くようにし、政府の政策に対するオンライン世論を分析した「日々サイバー検索結果」を作成させた。また当時人気だった政治ポットキャスト「ナヌン・コムスダ(私はけち臭い)」の録音記録と要約本を大統領府に提供した。検察は「ニューメディア秘書官らが、機務司令部に対してオンライン上で政治に関与する犯行をするよう積極的に指示したことが確認された」とし、「情報機関の隠密なオンライン上の政治関与活動の背景に、大統領府秘書官の指示があった事実が確認された」と明らかにした。

イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/890083.html韓国語原文入力:2019-04-15 21:05
訳M.C

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