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スペイン裁判所「北朝鮮大使館への侵入者ら、米FBIと接触」

登録:2019-03-28 01:08 修正:2019-03-28 07:58
犯行声明発表した反北朝鮮団体も認める 
容疑者10人のうち韓国・米国国籍者も 
米国政府は関連を否定
今月13日、スペイン・マドリード駐在の北朝鮮大使館前で大使館職員が記者らに写真を撮らないよう求めている=マドリード/聯合ニュース

 スペイン高等裁判所が、先月起きた駐スペイン北朝鮮大使館への襲撃事件の主な容疑者が、米国に逃げた後、米連邦捜査局(FBI)と接触したと26日(現地時間)に明らかにしたことで、事件の行方に注目が集まっている。反北朝鮮団体「自由朝鮮」は同日、自分たちが北朝鮮大使館を“襲撃”したことを認め、米連邦捜査局と接触したことも確認した。

 同日、スペイン司法府が公開した捜査判事による捜査報告書は、先月の22日、マドリードで北朝鮮大使館襲撃事件の首謀者として、メキシコ国籍の米国居住者エイドリアン・ホンを挙げた。事件に加担した10人のうち、身元が把握された7人の中には、韓国と米国国籍者もいると明らかにした。彼らは違法拘禁や傷害、脅迫、窃盗、文書偽造などの容疑を受けている。

 同報告書によると、彼らは先月22日午後4時34分に経済参事官を訪ねてきたと言い、大使館に進入した後、大使館職員たちを「過激に暴行し」、手錠とケーブル線で縛って数時間にわたり監禁した。容疑者らは当時、ナイフや鉄パイプ、模型拳銃を持っていたという。自らを「北朝鮮の自由のための人権運動団体のメンバー」だと紹介した彼らは、経済参事官を地下室に連れて行き、脱北を勧めたという。監禁されていた大使館職員のうち一人の女性が1階窓から外に抜け出して助けを求めたが、警察が大使館を訪れた時は、ホン容疑者が大使館職員に成りすまして出てきたという。同日、彼らが盗んだのは、コンピューター2台やハードドライブ2個、携帯電話と携帯用保存装置(USB)数本だった。

 この事件で最も目を引くのは、事件から5日後の27日(現地時間)、ホン容疑者が大使館襲撃関連情報を提供するため、ニューヨークで米連邦捜査局側と接触したという部分だ。 これに先立ち地元紙の「エルパイス」は、スペイン警察情報局(CGI)と国家情報局(CNI)が、容疑者らのうち少なくとも2人が米中央情報局(CIA)と関連があることを把握したと報じた。同報告書は事件直後、容疑者らが4つの小グループに分かれてポルトガルに向かったと明らかにした。ロイター通信は26日(現地時間)、スペイン法曹界の消息筋を引用し、容疑者らが全員米国に渡ったと見られており、スペインの司法当局は彼らに対する犯罪人引渡しを要請する方針だと報道した。AP通信は、容疑者のうち少なくとも2人に対しては、国際逮捕状を発行したと報じた。

 北朝鮮大使館襲撃事件が自分たちによるものだと確認した「自由朝鮮」は同日午後、ホームページに掲載した文で「(今回のことは)襲撃ではなかった。マドリード(北朝鮮)大使館内の緊急状況に対応しただけ」だとしたうえで、武器を使わなかったと主張した。また、自分たちは「FBIと相互秘密維持に合意し、莫大な潜在的価値のある特定情報を共有した」とし、「当該情報は自発的に、そしてFBI側の要請によって共有された」と説明した。さらに「その合意は破られたようだ」とし、「情報がマスコミに流れたのは紛れもない裏切り」だと強調した。

 米国務省は事件との関連を否定した。米国務省のロバート・パラディーノ副報道官は同日の定例記者会見で、「米政府はこの事件と無関係だ」と述べた。米連邦捜査局は関連問い合わせに答えなかったと、海外メディアが報じた。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/887694.html韓国語原文入力:2019-03-27 21:00
訳H.J

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