チョ・ミョンギュン統一部長官は20日、開城(ケソン)の南北連絡事務所の運営に使われた精油製品の搬出と関連し、「私たち(韓国)は国連の制裁対象ではないと判断している」と述べた。
チョ長官は同日、国会の対政府質問に出席し、「北朝鮮に設置された他国の公館や北朝鮮との交渉のために韓国代表団が平壌へ向かう際の輸送手段などに必要な油類と同じようなもの」だとし、このように述べた。チョ長官は「(国連安全保障理事会傘下の対北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが)報告書で、韓国政府が制裁に対する解釈をめぐる考えにおいて専門家パネルと食い違いがあるという点を“ノート”(注目・留意)してほしいと指摘しただけに、国連や関係国家と協議する」と説明した。
李洛淵(イ・ナギョン)首相もこれについて「国連対北朝鮮制裁委員会の専門家パネル報告書が制裁違反だと指摘したわけではないにもかかわらず、制裁違反と報道したマスコミがある」とし、「非常に遺憾だ」と述べた。
国連安保理傘下の対北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは、今月12日に発表した定例報告書で、「開城の南北連絡事務所のため、石油製品が郵送されたというマスコミ報道と関連し、韓国政府に書簡を送った」と言及したが、安保理制裁に違反するかどうかについては明示しなかった。政府は昨年1~11月、南北協力事業を進めるため、33万8737キログラムの精油製品を使用し、残った4039キログラムは韓国に持ち帰ったと明らかにした。
同日、国会本会議で行われた外交・統一・安保分野対政府質問では、ハノイで開かれた第2回朝米首脳会談で合意が見送られた以降、朝鮮半島の情勢や対北朝鮮制裁、韓米合同軍事演習の調整などに、議員の質疑が集中した。
ハノイでの朝米首脳会談が合意に至らなかった経過について、カン・ギョンファ外交部長官は「米国側の説明によると、核・ミサイル・大量破壊兵器(WMD)計画の凍結や完全な非核化の具体的目標に対する合意、それを達成するロードマップに関する交渉は実務レベルで合意するという目標を持って首脳会談を準備したが、非核化に対する最終的な決定は首脳間に委ねられるという、予測が難しい状況で首脳会談が行われた」と説明した。「合意が見送られることを韓国政府が(事前に)知っていたか」というパク・チウォン民主平和党議員の質問に対し、李洛淵首相は「朝米間の実務交渉で、連絡事務所や終戦宣言、人道支援などについてはかなりの進展があったが、非核化については首脳間の談判に委ねられる形だったため、うまくいかない可能性もあるという点を勘案した」と答えた。