期待を集めた2回目の朝米首脳会談が決裂した背景について、米国と北朝鮮がそれぞれ交錯する主張を出している。北朝鮮側は、5件の国連制裁に具体的に言及し、このうち人民生活に支障を与える項目の緩和を要求したと明らかにした。
リ・ヨンホ北朝鮮外相は1日未明(現地時間)、ハノイのメリアホテルで記者会見を行い、「北朝鮮がすべての制裁の解除を要求した」というドナルド・トランプ米大統領の主張に反論した。彼は「私たちは全面的な制裁解除ではなく、一部解除、具体的には国連制裁決議11件のうち2016年から2017年までに採択された5件、その中でも民需経済と人民生活に支障を与える項目だけを先に解除することを要求した」と明らかにした。国連安全保障理事会は、2006年7月の1695号から2017年12月の最後に採択された2397号まで計11件の対北朝鮮制裁を決議した。このうち最初の制裁である1695号には強制的内容が含まれていないため、実際には北朝鮮に対して10件の制裁決議が効力を発揮している。2016年から2017年までに採択された決議案は計6件だ。2017年6月に採択された2356号は、北朝鮮の機関と個人を制裁リストに含ませる内容なので、これを除く5件の一部事項を解除してほしいと要請したということだ。
北朝鮮が表現した「民需経済」は、軍需経済と区分される一般的な民生経済を意味するが、実際に北朝鮮がどの条項の解除を要求したかは確認されていない。ただし、2016年から2017年までに採択された決議案が、北朝鮮のエネルギー受給を制限し、鉱物輸出、労働力派遣などを強く阻んでいるため、こうした条項の緩和を要求したのだろうと見られている。対外貿易とエネルギー受給は、結果的に北朝鮮人民の暮らしと民間経済に直結する要素であるためだ。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星-15型」ミサイルを発射した後の2017年11月29日に採択された制裁決議2397号は、まず北朝鮮に対する精油製品の供給を年間50万バレルに制限している。これに先立った決議案が200万バレル水準の制限ラインを設定していたことを考えれば、エネルギー受給を極度に制限したと言える。原油供給も年間400万バレルに制限している。液化天然ガス(LNG)の供給は全面的に禁止されている。制裁決議2397号はまた、北朝鮮の“ドル稼ぎ”も強く制限している。海外に派遣された北朝鮮労働者を24カ月以内に送還するよう決めているためだ。中国遼寧省の丹東などには、北朝鮮の労働力を活用した製造業・賃加工業者が立ち並んでいる。北朝鮮は彼らの賃金を吸収する方式で外貨確保を図っている。石炭、ニッケル、鉄鉱石などの資源輸出を通した外貨稼ぎもすべて禁止された。北朝鮮の石炭、鉄鉱石などの輸出禁止で、少なくとも10億ドルにのぼる外貨流入が遮断されていると推定される。これは、北朝鮮の年間輸出額の30%を超える規模だ。この他にも、北朝鮮の銀行との金融取引、合作事業体設立、北朝鮮貨物に対する全数調査義務化などが網羅されている。国連安保理の制裁決議案は、既存の制裁案を基に制裁項目を追加したり強化する方式でなされる。結果的に、北朝鮮は2016~2017年に決議された制裁5件のうち、“一部”の解除を要求したと強調したが、米国の立場から見れば、制裁案の最終バージョンを全面的に解除してほしいと理解した可能性が提起される。結果的に、両国の首脳が非核化推進と制裁緩和というビッグディールに失敗し、この議論は再び国際政治の舞台へ渡ることになったわけだ。