韓国と米国が14日(現地時間)、米ワシントンで開かれた作業部会で、南北離散家族のテレビ電話面会に必要な物資の搬出に関連した対北朝鮮制裁の免除手続きを終えたことで、約11年ぶりにテレビ電話面会が進められる見込みだ。
外交部は15日、「韓米は作業部会会議で、第2回朝米首脳会談後の対応方向を含め、南北・朝米関係の動向および南北協力など、北朝鮮核問題や北朝鮮関連の諸懸案について話し合った」と発表した。同協議には、イ・ドンリョル外交部平和外交企画団長やアレックス・ウォン米国務省副次官補らが出席した。
今回の協議で、南北離散家族のテレビ電話面会に関連した装備・物資の搬出に必要な米国内の制裁免除に関する手続きが終了した。テレビ電話面会の装備を北朝鮮に送る問題については、米政府との協議を経て、国連安全保障理事会(安保理)の制裁免除決定まですでに完了していたが、米国内で議会承認を受ける技術的な手続きが残っていた。外交部当局者は「テレビ電話面会の装備には電子装備が多く、米議会の対北朝鮮制裁法の搬出規制と関連する品目が多いため、米議会との協議に時間がかかった」と説明した。制裁免除の“ヤマ場”を越えたことを受け、政府は11年ぶりのテレビ電話面会の準備に取り組む見通しだ。政府は、テレビ電話面会に必要な物資の購入に南北交流協力基金を支出するため、南北交流協力推進協議会(協推協)の手続きを進め、来週後半に議決する方針だ。その後、北朝鮮側に物資を渡して設置すると共に、試験稼動などを行い、技術的準備を進めていくものと見られる。
高麗の宮殿跡地である開城満月台(マンウォルデ)の共同発掘に必要な装備などの搬出についても、今回の作業部会で米国と協議があり、近く国連安保理に制裁免除を申請するもようだ。
ただし、開城工業団地参加企業関係者の訪朝については、今回進展はなかったという。開城工団参加企業関係者の現地施設点検は、国連の北朝鮮制裁および米国の独自制裁には抵触しないが、米国と事前協議が必要だというのが韓国政府の判断だ。外交消息筋は「(開城工団参加企業関係者の訪朝について)今回の会議で協議されたが、米国は現在の状況では対北朝鮮制裁の枠組み内で行うべきだという原則的な立場を示した」と伝えた。このため、今回8度目の申請を行った開城工団参加企業関係者の訪朝は、今回も難しいものと予想される。