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金正恩委員長の専用列車、二日間“密封”帰国の道

登録:2019-03-03 22:33 修正:2019-03-04 07:23
2日ベトナムのドンダン駅を出発し3日に中国大陸を移動 
訪問説のあった「改革・開放の象徴」広州には立ち寄らず 
4日夜~5日未明に朝中国境に到達する見込み 
両会が開かれる北京訪問計画は確認できず
金正恩北朝鮮国務委員長が2日、中越国境地域のベトナムのランソン省ドンダン駅で、専用列車に乗り込み歓送客に挨拶している/朝鮮中央通信 聯合ニュース

 ベトナム親善訪問を終えて帰国の途についた金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が今月3日、中国大陸を横断する2日間の帰国の道を続けた。具体的な動線は公開されていないが、金委員長の専用列車はベトナムに向かう時と同じ路線で移動していると見られる。

 前日、ベトナム北部のドンダン駅を出発し、中国の広西チワン族自治区の萍郷に到着した金委員長の専用列車は、南寧を経てこの日午前に湖南省の長沙を通過した。専用列車の通過に前後して、長沙駅付近の道路は全面統制され、警備も大幅に強化されたことが分かった。金委員長がベトナムに向かっている間、夜明けにプラットホームで喫煙している場面が日本の放送に捉えられた南寧駅には、大型の目隠し幕が張られていた。金委員長が南寧を経ずに迂回して改革・開放以後中国で最も発展の速度が速いという広東省の広州を視察するかもしれないという予想ははずれた。

 金委員長は2回目の朝米首脳会談出席のために、先月23日午後に専用列車で平壌を出発し、中国の丹東~天津~武漢~南寧~萍郷を経て、計66時間、3800キロメートルの大長征の末にベトナムに到着した。キム委員長が同じ道を逆向きに最短距離で帰国の途につくならば、4日夜または5日未明には朝中国境地帯の遼寧省丹東を通過して、北朝鮮に入ると見られる。朝中友誼橋を通過する列車を観察できる丹東の中連ホテルは5日まで予約を受けないという。

金正恩委員長が2日、ハノイでホー・チ・ミン廟に献花する姿を北朝鮮の労働新聞が報道した。花輪の右には「金正恩」、左には「ホー・チ・ミン主席を追悼」と書かれている//ハンギョレ新聞社

 当初、金委員長がハノイ朝米首脳会談を終えた後、帰国の途中で北京に立ち寄り、中国の習近平国家主席に会う可能性があると見られた。だが、朝米首脳会談が予想に反して合意に至らなかったうえに、中国最大の政治行事である両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)の開幕まで重なり、朝中首脳間の会合日程を調整することは容易でなく見える。金委員長が終盤に道を変え北京に立ち寄って習主席に会い、会談の結果を説明する可能性がまったくないわけではない。これに先立って金委員長は2日午前、ベトナム親善訪問の最後の日程でホー・チ・ミン主席の墓地を参拝した。ベトナム独立・統一戦争を導いたホー・チ・ミンは、1957年に平壌を訪問したことがある。金委員長の祖父である金日成(キム・イルソン)主席も1958年と1964年にハノイを訪問し、彼と二度の首脳会談を行なった。

 “祖父の同志”に対する参拝を終えた金委員長は、専用車に乗ってハノイを出発し、中越国境地域であるベトナムのランソン省ドンダン駅に到着した。朝米会談の決裂直後である前日に開かれた歓迎行事の時にも重い表情だった金委員長は、余裕を取り戻したように笑顔を見せもした。専用列車に乗り換えた金委員長は、この日午後1時頃にドンダン駅を出発し、中越国境を越えた。

ハノイ、北京/ファン・ジュンボム、チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/884305.html韓国語原文入力:2019-03-03 17:46
訳J.S

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