「韓国を防衛するのに1年に50億ドルがかかるが、韓国は約5億ドルを支払っている」
今月12日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領はこのように述べた。第10次韓米防衛費分担特別協定に両国が仮署名をしてから2日後のことだった。韓国がこれまで米国による朝鮮半島防衛に“ただ乗り”してきたかのように発言したのだ。
トランプ大統領は今回の防衛費交渉で、「韓国側はさらに5億ドルを支払うことで合意した」と述べた。しかし、韓米が10日に合意した今年の韓国の在韓米軍分担金総額は1兆389億ウォン(約1024億円)で、昨年より787億ウォン(8.2%)増えた数値だ。
トランプ大統領が韓国防衛に伴う米国側の費用として言及した「50億ドル」という数値がどこから出たのかは不明だ。米国防次官室が昨年3月に公開した「2019会計年度の予算運営維持費総覧」によると、米政府が在韓米軍に支給する人件費を除いて推定した今年の在韓米軍駐留費の総額は、13億5980万ドルだ。米国側がこの時に適用した為替レート(1ドル当たり約1128ウォン)に換算すれば約1兆5339億ウォン(約1500億円)だ。
米国防総省が今年の在韓米軍の人件費として推算した21億420万ドルを合わせても、米国が負担する在韓米軍の駐留費用は34億6400万ドルにすぎない。在韓米軍を韓国政府が“雇用”したわけではないため、慣例的に米国側の“分担”を計算する場合、人件費は除くが、人件費を加算しても50億ドルを大きく下回る。
トランプ大統領が韓国側の負担額とした「5億ドル」も根拠が乏しい。韓国国防部が先月発行した「2018国防白書」によると、2015年に在韓米軍の駐留経費として韓国政府が支出した直接・間接の支援規模は3兆3868億ウォン(約3338億円)に達する。防衛費分担金9320億ウォン(約920億円)を含む直接支援額が2兆4279億ウォン(約2392億円)、無償供与土地賃貸料評価や税金免除、各種公共料金減免など間接的に支援した規模が9589億ウォン(約945億円)だ。米国側が2015年分の資料に適用した為替レート(1ドル=1101.6ウォン)で計算すれば、韓国政府が在韓米軍に支援した金額は30億7443万ドルで、5億ドルの6倍を超える。さらに、2015年の場合、龍山基地移転協定(YRP)および平沢ハンフリー基地の建設費用として、これまでより多く支払った一時的費用も2兆695億ウォン(約2040億円)に達する。全部合わせると、49億5306万ドルだ。
これに比べ、同年、米国防総省が明らかにした米政府の在韓米軍駐留費の総額は26億9680万ドル、在韓米軍の人件費を除いた金額は9億3020万ドルにとどまる。「平和と統一を開く人々」は「在韓米軍に供与された土地の賃貸料が実際より非常に低く評価されている」とし、「国防部評価で除外された米軍所有の弾薬貯蔵施設費(1237億ウォン)まで含めると、2015年の韓国の負担総額は55億6112万ドルで、米国の6倍」だと主張した。