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金委員長の製薬会社「同仁党」訪問に注目集まる

登録:2019-01-10 06:06 修正:2019-01-10 08:05
金委員長の第1~4回経済視察を比較 
新年の辞で「医療の現代化」を強調 
北朝鮮の漢方産業の育成に向けた意志と見られる 
1~3回の時は科学院と農業院を訪問
北朝鮮の金正恩国務委員長が今月9日午前に訪れた北京経済技術開発区にある製薬会社「同仁党」の工場=北京/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が中国訪問3日目の9日午前、北京経済技術開発区にある「同仁堂」の工場を訪問した。同仁堂は、350年の歴史を誇る中国の代表的な漢方製薬会社だ。第4回訪中期間に唯一の経済関連現場訪問日程だ。金委員長が1日、新年の辞で「製薬工場と医療機器工場を現代化し、医療機関を一新して医療奉仕の水準を高める必要がある」と強調した問題意識の延長線上にあるものと見られる。

 実際、金委員長は昨年の第1~3回訪中の時も、経済関連施設の視察に多くの時間は費やさなかった。長くは10日近い日程で中国各地の経済現場を視察した父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記とは異なる。

 ただし、金委員長が第1~4回の訪中期間に視察した場所を見ると、関心事の「中国経験の参照」という明確な目的意識が窺える。焦点は「全(人)民の科学技術人材化」(2016年5月6~7日、第7回党大会事業総和報告)と、今年の新年の辞で「党と国家の第一の重大事」と強調した「人民生活の改善」に当てられている。

 昨年3月の最初の訪中当時、金委員長の唯一の視察日程は「率先行動研磨粉塵-第18回党大会後の中国科学院革新の成果展示会」だった。中国科学院は「中国のシリコンバレー」と呼ばれる北京の中関村にある。金委員長が銀河科学者街(2013年)や衛星科学者住宅地区(2014年)、未来科学者街(2015年)を新たに作り、科学技術殿堂の完工にあわせて現地指導(2015年10月28日)を行って、「全(人)民の科学技術人材化」を強調したことの延長線上にある。

 史上初の朝米首脳会談を控えた昨年5月の第2回訪中の際は、視察日程がなかった。ただし、金委員長の「一部の随行員ら」が大連東港商務区と華録グループを視察した。商務区は大連沖合を埋め立て、商店街や娯楽、文化、体育、住居施設を集めた地域で、華録グループは「京劇アプリ」など先端文化事業を行う国営企業だ。

 金委員長は第3回訪中の際は、中国農業科学院国家農業科学技術革新院を訪れ、「農業の工業化」に向けた努力を高く評価して、芳名録に「深く感服」したと書いた。北京市の軌道交通指揮センターでは、「高度の自動化レベルと統合操縦体系」に「驚嘆」したと、「労働新聞」が報じた。2カ所共に第2回訪中直後、党中央委で「教育・科学」分野を担当し、「教育担当」のパク・テソン副委員長が率いる「親善観覧団」が視察した場所だ。金委員長は訪中後、「平壌(ピョンヤン)無軌道電車工場とバス修理工場」(「労働新聞」8月4日付1面)と「京城郡温布温室農場建設準備事業」(「労働新聞」8月18日付1面)を現地指導した。“視察”と“実践”が緊密に結びついていると言える。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/877740.html韓国語原文入力:2019-01-09 21:26
訳H.J

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