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中国メディア、金正恩委員長訪中報道に慎重な姿勢

登録:2019-01-09 22:25 修正:2019-01-10 08:16
9日午後、北京を離れるまで 
官営マスコミの短かい報道のみ
中国の官営メディアは、9日午後まで金正恩北朝鮮国務委員長の4回目の訪中関連内容をほとんど報道していない。8日朝、金委員長の訪中のニュースを短く伝えた新華社通信の報道=新華社通信のホームページより//ハンギョレ新聞社

 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の4回目の中国訪問内容に対する朝・中の発表タイミングが3回目より遅れ、米国を刺激しないための“配慮”である可能性に関心が集まっている。

 金委員長が北京に到着した8日午後7時(現地時間)、官営の中国中央テレビ(CCTV)のメインニュースプログラム「新聞聯播」は、関連ニュースを特に伝えなかった。進行者は、12時間前に新華社通信が報道した1行記事を読んだだけだ。習近平国家主席の招請で金委員長が7~10日に中国を訪問するという内容だった。金委員長と習主席の首脳会談や歓迎晩餐はもちろん、駅に到着した姿や北京の中心部を通過する様子なども伝えなかった。

 “節制された”報道は、翌朝の中国共産党機関紙「人民日報」も同じだった。1面トップに記事を載せはしたが、中国中央テレビと同じく前日の新華社通信の記事をそのまま写したものだった。北朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」など北朝鮮メディアも同様だった。9日にも金委員長一行が平壌を出発したというニュースだけを報道した。

 金委員長の訪中に対する最初の報道以後、後続報道や発表が遅れ、昨年6月19日の金委員長の3回目の訪中時より退歩したわけだ。当時、中国の官営メディアは金委員長の専用機が着陸して間もなく訪中事実を報道し、同日午後の首脳会談の内容も夕方には直ちに報道した。朝・中が両国関係を一から十まで密かに進めてきた過去とは違い、公開的で透明な態度を見せたという評価が出てきた。8日午前、金委員長の専用列車が北京に到着する前、異例にも訪中の事実が発表され、会談の内容についても発表がまもなくあるだろうと予想されたが、結局その予想は外れた。

 朝・中の発表が遅れたのは、朝米首脳会談の協議の渦中であるうえに、中国と貿易交渉をしている米国を考慮した結果という分析が出ている。ドナルド・トランプ米大統領は、昨年の初の朝米首脳会談を控えて、朝中密着を公開的に警戒する姿を見せた。朝・中は国内マスコミを統制しており、政府が発表していない状態ではマスコミ報道が出ないよう調節することが可能だ。北朝鮮とは異なり多くのインターネットメディアがある中国でも、北朝鮮関連ニュースは官営の新華社通信の引用報道だけが可能な場合が多い。

 香港の明報は、金委員長の8日の日程に関連した報道が直ちに出てこなかったことを見て、この日の行事が“非公式性格”を帯びていることを示していると分析した。このメディアはこの日誕生日を迎えた金委員長に、中国側が祝賀の意を込めた行事を行いプレゼント贈呈が行われたとすれば、朝・中がこれを対外的に公開することは適切でないと判断してもおかしくないと推測した。

 金委員長の4回目の訪中関連報道は、過去の慣例にならって、金委員長が10日午前に国境を越えた後に出るものと見られる。

北京/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/877706.html韓国語原文入力:2019-01-09 18:10
訳J.S

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