本文に移動

金委員長の訪中日程終了…習主席がトランプ大統領に伝えるメッセージに注目

登録:2019-01-10 06:58 修正:2019-01-10 16:57
トランプ大統領、金委員長の訪中2日目まで反応示さず 
ジョセフ・ユン元代表「習主席の同意のもと、トランプ大統領に“中国カード”の提示狙う 
朝米首脳会談、2月末か3月初めに開かれる見通し」 
チョ・ユンジェ駐米大使「首脳会談に向けた準備会談の開催を期待」 
 
習主席が米国に伝える金委員長のメッセージが重要 
習首席、昨年の朝中首脳会談直後トランプ大統領と電話会談
昨年3月の第1回訪中の際、北朝鮮の金正恩国務委員と中国の習近平国家主席夫婦が記念撮影を行っている=中国CCTVの画面よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ大統領と米政府は、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の4度目の中国訪問について、8日(現地時間)にも公式の反応を示さなかった。しかし、今回の訪中が朝米首脳会談を念頭に置いた性格が強いだけに、米国も北朝鮮との対話を加速化するものと見られている。金委員長と共に“立場”をまとめた習近平国家主席が、積極的な仲裁者の役割を果たす可能性もある。

 トランプ大統領は金委員長の訪中2日目の同日、国境の壁の建設に関する演説に集中しただけで、北朝鮮については発言しなかった。彼は金委員長の1日の新年の辞に対し、ツイッターに「私も会いたい」と書き込んでおり、翌日には金委員長の親書を公開し、6日には「(朝米首脳会談の)場所を交渉している」と明らかにした。しかし、金委員長の訪中事実が公開された後も、北朝鮮については触れなかった。米国務省はメディアの論評要請に対し、「中国に聞いてほしい」と述べた。朝中首脳会談の内容を把握し、これが朝米対話に及ぼす影響を注視しているものと見られる。

 米国の朝鮮半島専門家らは、金委員長の今回の訪中が朝米首脳会談が近づくことを示すシグナルだと分析した。ジョセフ・ユン元国務省北朝鮮政策特別代表は同日、ワシントンで韓米経済研究所(KEI)が開いたセミナーで、「金委員長の訪中には、習主席に『トランプ大統領と2回目の首脳会談をしてもいい』というグリーン・ライト(承諾)を受けると同時に、トランプ大統領に『私にはこのように大きな中国カードがある』というメッセージを送る意味がある」と述べた。また「第2回朝米首脳会談が遠からず行われるだろう」とし、「おそらく2月末か3月初めになるだろう」と見通した。

北朝鮮の金正恩国務委員長の専用車が今月9日、警護を受けながら北京の中心街を走っている=北京/ロイター 聯合ニュース
金正恩国務委員長の第1~4回訪中における経済関連視察//ハンギョレ新聞社

 金委員長の今回の訪中は、新年の辞で非核化および朝米対話への意志を明らかにした直後という点でも、表面上止まっているかのように見える朝米対話の列車を再び動かせる可能性が高い。チョ・ユンジェ駐米韓国大使はこの日、特派員懇談会で「朝米首脳会談に向けた水面下の接触が続いているとみられる」とし、「トランプ大統領と金委員長が確固たる意志を持っているため、近く準備会談が開かれるのではないかと期待している」と述べた。チョ大使は金委員長の新年の辞についても「確かなのは、金委員長と北朝鮮は対話と交渉局面を持続させることを望んでいること」だとし、「米国も北朝鮮を引き続き対話と交渉プロセスに留まらせつつ、朝米関係と非核化の進展を模索する確固たる意志を持っていると聞いた」と述べた。

 金委員長が9日に帰国の列車に乗った後、習主席や中国政府が今回の会談を米国にどう説明し、協議するかに焦点が移った。習主席は昨年5月、大連で金委員長と首脳会談を行った直後、トランプ大統領と電話会談し、朝米首脳会談を支持する意向を明らかにして、「朝鮮半島問題の政治的解決プロセスを一緒に進めよう」と述べた。金委員長も、米国に伝えるメッセージを託したものとみられる。米国の立場から見て、可視的かつ追加的な非核化行動が示されれば、朝米対話はさらに急速に進む可能性がある。

 中国が、満足のいく見返りを提示せず、北朝鮮に対する制裁緩和に肩入れするようなジェスチャーをみせれば、米国の反発に遭う恐れもある。しかし、米中が年末以降、貿易交渉で友好的なムードを作り、対北朝鮮問題でも協力ムードを漂わせていることから、習主席が制裁隊列から離脱する可能性は低いとみられる。米国は経済制裁は維持したまま、朝米連絡事務所の設置などを非核化行動に対する相応の措置として検討しているという。

 米国は、金委員長の訪中での動きを十分に把握した後、行動に乗り出すものと見られる。マイク・ポンペオ国務長官と金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長の高官級会談やスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表とチェ・ソンヒ外務次官との実務会談も考えられる。ポンペオ長官が平壌を訪問する可能性も注目される。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/877658.html韓国語原文入力:2019-01-09 22:28
訳H.J

関連記事