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[社説]米国の相次ぐ信頼回復のシグナルに対する北朝鮮の回答を期待する

登録:2018-12-24 06:35 修正:2018-12-24 08:35
人道支援認めるなど友好措置に注目 
米国、朝米首脳会談に向けた条件づくりに努力 
北朝鮮、新年の辞通じて大胆な決断下すことを期待
スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮特別代表(左から3番目)とイ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長(左から4番目)が今月21日午後、ソウル鍾路区の外交部庁舍で第2回韓米作業部会を終えて、記者団の質問に答えている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表の訪韓を機に、米国が相次いで対北朝鮮宥和シグナルを送っている。22日(現地時間)にはマイク・ペンス米副大統領が前週に「北朝鮮の人権弾圧」を批判する演説を準備したが、取り消したという報道が出た。ペンス副大統領は「日程が重なったため」と説明しているが、北朝鮮を刺激しないための措置とみられる。米国が膠着状態から抜け出し、朝米対話を引き出すために、宥和的態度を示していることは明らかだ。

 米国のこうした「信頼回復」のシグナルは、すでにビーガン特別代表の訪韓期間中にも数回発信された。ビーガン代表は、韓国に到着した直後、対北朝鮮人道支援のための米民間団体の訪朝を許可する意向を示した。ポンペオ国務長官も、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の非核化の約束が実行されていると評価し、朝米首脳が元旦から遠くない時期に会うことを期待すると述べた。21日に開かれた韓米作業部会では、南北鉄道・道路連結事業の着工式をはじめ、南北協力事業に対する制裁免除の道が開かれた。人道支援と南北協力事業で誠意を示すことで、対話の動力を維持しようとする意思が明確に見受けられる。

 また「朝米間の信頼を築くために様々な案を検討する用意ができている」、「後続対話で2回目の朝米首脳会談に関する具体的事項を一部協議できるだろう」というビーガン代表の発言も、注目に値する。北側のパートナーに会って首脳会談のための実務交渉および高官級会談をしようという提案であると同時に、対話が一旦再開されれば「信頼構築に向けた措置」を交渉テーブルに載せるということだ。2回目の朝米首脳会談が開かれれば、終戦宣言を含め、積極的な措置を取る意思があることを示唆したものと見られる。

 もちろん、米国のこのような友好的メッセージが、北朝鮮が望む経済制裁の緩和とは距離があることは事実だ。しかし、トランプ政権が、米国の主流社会の反北朝鮮世論のため、北朝鮮の要求を直ちに受け入れることが難しいという事情を考えると、米国のこのような宥和シグナルは、朝米交渉の膠着を破ろうという独自の努力として評価できる。それだけに、今度は北朝鮮側が回答する番だ。北朝鮮としては、米国が根本的な問題は避け、南北協力や人道支援などを認めることが恩着せがましく感じられるかもしれないが、原則だけにこだわっていては時間を無駄にする愚を犯す恐れがある。

 まずは、26日に行われる鉄道・道路連結着工式でどのようなメッセージが出てくるかに関心が集まっている。着工式には南北の高官が出席する予定だ。ここで米国の要求に対する肯定的な回答が出れば、朝米対話の再開に向けて良い知らせになるだろう。さらに大きな関心事は、金正恩委員長が来年1月1日に発表する新年の辞の内容だ。米国が誠意を示しただけに、金委員長が朝米関係と非核化交渉の進展に向けた大胆な決断を下すことを期待する。2回目の朝米首脳会談が早期に実現してこそ、南北関係の進展にもさらに弾みがつくだろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/875523.html韓国語原文入力:2018-12-23 19:04
訳H.J

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