「文在寅(ムン・ジェイン)政権が革新成長として打ち出した政策は、朴槿恵(パク・クネ)政権が推進していた『医療営利化』政策と変わらない」。
27日、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議員会館で開かれた「文在寅政権の保健医療革新成長論、何が問題か」の討論会に参加した保健医療団体など市民団体の人々は、政府が打ち出した医療分野の規制緩和は医療の公共性を脅かすものだとして一斉に批判した。
参加者はまず、研究中心病院に医療技術特許事業化のための「産病(産業-病院)協力団」および「先端技術持ち株会社」を設立できるようにする方案が、朴槿恵政権の推進していたた「営利子会社」とそっくりだと指摘した。研究中心病院としては、サムスンソウル病院・ソウル牙山(アサン)病院・盆唐(プンダン)チャ病院など10カ所の医療機関が指定されている。
保健医療団体連合のチョン・ヒョンジュン政策室長は「医療法上病院は非営利機関であって、資本が直接投資して利潤配当を受けることはできない。資本はこのような法を迂回できる産病協力団などの組織設立の許容を要求してきた」として「病院が自らの産病協力団の子会社が作った装備・薬品を使うのは自明なので、過剰診療・医療費上昇が発生するだろう」と指摘した。 仁荷大学医学部のチェ・ギュジン教授も、産病協力団設立許容が医療の営利化を強化するだろうと憂慮した。彼は「日本は研究重点病院を12カ所だけ選定するなど研究能力を徹底的に検証しており、研究領域の商業化に対する警戒が存在している」と紹介した。
体外診断機器など医療機器の販売以前に施行していた新医療技術評価(140~250日を所要)を市場進入以後に行なうという「先市場進入-後評価(包括的ネガティブ規制)」方案や、潜在価値評価による革新・先端技術市場進入許容などと関連しても「患者の安全を脅かす政策」だという憂慮が出ている。 チョン・ヒョンジュン政策室長は「手続きを縮小するのは国民の安全を見捨て、不必要な医療機器を許可して健康保険の財政浪費構造を合法化するもの」として「民間医療機関が絶対的優位を占めている現実では、副作用の報告がきちんとなされず、事後評価も退出も容易でない」と指摘した。
特に医療機器規制緩和が世界的な趨勢に逆行しているという批判も出ている。 チェ・ギュジン教授は「欧州は体外診断機器など医療機器全般に対する規制を強化している。欧州に医療機器を輸出するには強化された基準を通過しなければならない」と紹介してから「規制緩和は結局、国内用に終わる粗末な医療機器乱立につながる公算が大きい」と予見した。
この日討論会に参加した保健福祉部のイム・スギョン保健産業政策課長は、「産病協力団の許容は既存の産学協力団が病院まで包括できないという指摘に基いて、これを拡大しようという趣旨だ」として「政府の立場は、患者の治療のために役に立つならば規制を緩和すべきということだ」と明らかにした。