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南北、9月の平壌首脳会談に合意…北朝鮮「関係改善の障害物の除去」を要求

登録:2018-08-14 06:03 修正:2018-08-14 08:14
高官級会談で共同報道文を採択 
政府「9月中旬に会談行われる可能性高い」 
4.27板門店宣言の積極的な実践を協議
チョ・ミョンギュン統一部長官(中央)が今月13日午前、板門店北側地域にある統一閣で開かれた南北高官級会談に出席するため、軍事境界線を越えている=板門店/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 南北は13日、板門店(パンムンジョム)統一閣で第4回高官級会談を開き、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の第3回首脳会談を「9月中に平壌(ピョンヤン)で」開くことで合意した。政府関係者は「現実的に9月中旬に首脳会談が開かれる可能性が高い」と話した。具体的には北朝鮮の「朝鮮民主主義人民共和国創建70周年」記念日(9・9節)直後から国連総会開会(9月18日)までの8日間のうちに“擇日”されるものと予想される。キム・ウィギョム大統領府報道官は「9月初めは難しいかもしれない」と明らかにした。

 南北は同日昼、高官級会談を終え、「日程に上がっている南北首脳会談を9月中に平壌で開くことで合意した」という内容を含め、合わせて三つの文で行われた短い「共同報道文」を採択した。南北は共同報道文を通じて、「双方は、板門店宣言の履行状況を点検し、より積極的に実践していくための問題を真剣に協議した」と明らかにした。「9月中の平壌首脳会談の開催」以外は、共同報道文に明記された合意事項はない。

 ただし、会談北側団長のリ・ソングォン祖国平和統一委員会委員長は会談が終わった後、南側の記者の「今日の会談はうまくいったか」という質問に「うまく行った」と答えた。リ委員長は終結会議での発言で、「今日この会談を機に、北南関係の改善と発展に向けた問題がより革新的に進展すると思う」と強調した。同日の会談が“失敗”ではないということだ。4・27板門店南北首脳会談と6・12シンガポール朝米首脳会談によって作られた南北関係の改善と朝鮮半島平和プロセスという大きな枠組みの情勢は、これからも続くという発言と言える。

 南側の首席代表のチョ・ミョンギュン統一部長官は会談が終わった後、共同取材団に4・27板門店宣言の履行と関連した協議内容を比較的詳細に説明した。チョ長官はまず、政府が「8月中の開所」を重ねて明らかにしてきた「開城(ケソン)南北共同連絡事務所」を南北協議や改修・補修工事が終わり次第、「開所式を近日中に開催することにした」と明らかにした。当初、政府が開所日に決めた17日よりは多少遅れるものとみられる。

 チョ長官は鉄道・道路の連結と現代化や山林協力などと関連し、「南北協力をさらに進展させていくために努力することにした」と明らかにした。さらに、北側芸術団の韓国公演と10・4首脳宣言の南北共同記念問題は「文書交換方式で協議」することにしたと述べた。離散家族再会行事も「引き続き進める方向で意見が一致した」と明らかにした。(非武装地帯の監視警戒所の一時的な相互撤退や板門店共同警備区域の非武装化など)「軍事会談で議論された事項は近いうちに決着をつけ、合意書を採択することも引き続き協力することにした」と付け加えた。ただし、チョ長官が明らかにしたこのような内容は共同報道文に明示されておらず、リ・ソングォン委員長も「チョ長官に聞いてほしい」とし、具体的な言及はしなかった。

 外交安保分野の高官は「今日の会談の結果は南北の認識の隔たりが大きいということを示している」と評価した。会談代表団の構成で、統一部長官・次官に大統領府安保室2次長まで出た南側の“政務型”アプロ―チと、鉄道や道路、山林などの経済協力に重点を置いた北側の”実務型”アプローチほど、隔たりが明らかになったのだ。

 実際リ・ソングォン委員長は終結会議での発言を通じて「(4・27、板門店宣言の採択以降)、北南会談と個別接触で提起した問題がもし解決されなければ、予想しなかった問題が生まれる可能性があるうえ、日程に上がった全ての問題が難航することも考えられる」と警告した。そして、「北南の間の未解決になっている問題、北南関係の改善を妨げる障害物」を取り上げ、「双方の当局が自分のやるべきことをきちんと行うことが非常に重要だ」と強調した。南側が鉄道や道路、山林協力と関連して、国際社会の対北朝鮮制裁を理由に共同調査・研究を超える実質的協力事業の推進に消極的だと、強く問題視したものと見られる。北側は最近になって「労働新聞」などを通じて、板門店宣言以降、南北関係が「上辺だけで、中身のある進展が見られない」、「(南側が)金のかからないことばかり進めようとしている」と批判してきた。要するに、同日の会談の結果は、「9月中の平壌首脳会談」に向けても鉄道や道路、山林協力など、板門店宣言の合意事項の履行に南側が積極的に乗り出さなければならないという北側の訴えであり、圧迫と言える。

 ただし、南北が同日の会談で、「9月中の平壌首脳会談の開催」に合意し、「双方が自分のやるべきことをやる」関係改善の1次的な目標時点であり、南北関係の逆進防止装置を作ったのは意味が大きい。南北関係に詳しい元高官は「政府は『9月の平壌首脳会談』が南北の(本格的な経済協力推進など)共同繁栄の方策を本格的に取り上げられるよう、積極的かつ創意的なアプローチを通じて、局面転換に乗り出さなければならない」と話した。例えば、マイク・ポンペオ米国務長官の4度目の訪朝や終戦宣言、非核化問題の進展、追加中朝首脳会談などで、朝鮮半島の情勢に進展が見られるよう、韓国政府が道案内役兼誘い水の役割を果たすべきという指摘だ。

板門店/共同取材団、イ・ジェフン、ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/857485.html韓国語原文入力:2018-08-13 22:34
訳H.J

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