3回目の南北首脳会談関連協議が行なわれた13日、南北高官級会談に米行政府も神経を尖らせた。ハリー・ハリス駐韓米国大使はこの日午前「終戦宣言」採択の前提条件と西海(ソヘ)衛星発射場一部廃棄など北側の友好措置に対する米国の立場を問う質問に、繰り返し「(南北高官級会談を)見守る」としながら、慎重な姿を見せた。
ハリス大使はこの日、ソウル瑞草洞(ソチョドン)の国立外交院で「韓米関係:新たな65年に向かって」という主題で開かれた講演で、終戦宣言にまつわる議論と関連して「終戦宣言について何かを話すにはあまりに早い」と述べた。6日の記者懇談会で「(終戦宣言をするには)北朝鮮が非核化に向けて相当な動きを見せるべきだ」と述べたハリス大使に「北朝鮮に期待する相当な動きとは何か」を問う質問に対する答だった。ハリス大使は、具体的な返答は避けながらも「シンガポールで作られた(朝米首脳会談)合意に基づいて進もう(build on・履行)としている。それが開始になるだろうと考える」と話した。
ハリス大使は、終戦宣言と関連して「南北、朝米関係の改善を望むが、文大統領も話したように南北関係の改善は非核化と別個には進めることはできない」として「今日の南北会談の進行を見て、今後どのように回っていくかを見よう」と述べた。続けて「終戦宣言に関連して明確な立場を明らかにするにはあまりに早い」と再度強調した。さらに終戦宣言の前提条件を問う質問には「答はそれこそ交渉と外交の対象」とし「私たちは今まさにそのプロセスを始めた。まだ初期段階だ。だが、平和を努力してみる価値があると信じる」と答えた。ハリス大使は、韓米が「朝鮮半島の最終的で完全で検証可能な非核化(FFVD)」という同じ目標を共有していると付け加えた。
ハリス大使はこの日行なわれた南北高官級会談と3回目の南北首脳会談に対して「進行中の会談と関連して、私はいま国務省の立場を持っていない」として「この協議がどのように進行されるかを見守るだろう」と話した。彼は「同盟である韓国と緊密に接触し、北朝鮮関連イシューに対する私たちのすべての対応が一致できるようにしている。今日の(会談)結果を見守る」とも話した。
北朝鮮が豊渓里(プンゲリ)核実験場の廃棄に続き、東倉里(トンチャンリ)ミサイルエンジン実験場も一部廃棄するなど「友好措置」を取ったにもかかわらず、米国は相応の措置を取らなかったことに対して北側が不満を表出したことに対する米国政府の立場を尋ねる質問に、ハリス大使は「北朝鮮が取れる行動に対する補償(rewarding)と関連しては、今日なされている南北間協議の主題」と話して関心を引いた。彼は「(会談が)どのように進行されるのかを見て、そこから始める」として「トランプ大統領は金正恩(キム・ジョンウン)委員長がシンガポールでした約束を守るだろうと信じている。従って見守るほかはない」と付け加えた。マイク・ポンペオ米国務長官の訪朝切迫説に対しては「ここではノー・コメント」と答えた。
この日のハリス大使の話では、トランプ行政府も朝米関係がなかなか進展を見られない状況で開かれた南北高官級会談に注目しているという点が明確になった。朝米は先月6~7日のポンペオ長官の訪朝後、非核化と新しい関係構築措置実行の順序をめぐり綱引きを続けている。米国は後続交渉の最初の措置として、北朝鮮内の核・ミサイル施設目録の提出を要求する一方、北朝鮮は信頼構築のための“初歩的”措置として、終戦宣言の採択を主張している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、朝米が間隙を狭められずにいる状況で、再び南北関係を通じて朝米関係の進展を追求する“触媒”の役割を構想しているという。3回目の南北首脳会談議論が世界の注目を集めるのもそのためだ。
一方、ハリス大使は最近韓国内で論議がおきている北朝鮮産石炭の搬入と関連して、米国の独自制裁の可能性について「韓国も法に則り措置を取っている。その結果を見守るべきで、韓国政府の行動を待たなければならない」として「それを見てから決めるだろう」と話した。