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機務司が戒厳司令官として「序列第2位」の陸軍参謀総長を指名した理由とは

登録:2018-07-21 06:25 修正:2018-07-21 10:09
機務司の戒厳実行文書確認 
戒厳文書の作成指示した“上部”明らかにするカギ 
特別捜査団が解明すべき核心内容 
 
当時、イ・スンジン合同参謀議長は3士出身 
チャン・ジュンギュ陸軍参謀総長は陸士36期で 
陸士28期のキム・グァンジン、パク・フンリョルなどが 
影響力を行使しやすいことを考慮したもよう
キム・ウィギョム大統領府報道官が20日、春秋館ブリーフィングルームで軍から入手した機務司令部の戒厳文書を公開している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 20日、大統領府が公開した朴槿恵(パク・クネ)政権時代の国軍機務司令部の「戒厳対応計画の細部資料」には、単なる検討文書という釈明に疑念を抱かせるほど、具体的な実行計画が明記されている。当時、「朴槿恵大統領府」が弾劾の棄却を事実上確信した雰囲気だったことから、実際に戒厳令の宣布を念頭に置いて作成された可能性が高いものとみられる。

 キム・ウィギョム大統領府報道官は同日のブリーフィングで「通常のマニュアルと異なり、合同参謀議長を排除して陸軍参謀総長を戒厳司令官に推薦する判断の要素と検討結果が含まれている」と明らかにした。軍の公式的な戒厳関連部署は合同参謀本部の民間作戦部戒厳課だ。また、合同参謀議長が各軍参謀総長で構成された合同参謀会議の議長(序列第1位)として、序列第2位の陸軍参謀総長より上に位置する。戒厳司令官は大統領が任命するが、通常、軍での序列が上である合同参謀議長が務めるのが慣例なのに、序列第2位の陸軍参謀総長を戒厳司令官に任命するようにした。

 当時、イ・スンジン合同参謀議長の代わりにチャン・ジュンギュ陸軍参謀総長を戒厳司令官に推薦した「判断要素」が何かについて、キム報道官は明らかにしなかった。しかし、大統領府の内外では、機務司令部が陸軍士官学校(陸士)出身で戒厳令を編成し、“親衛クーデター”を謀議するため、3士官学校(3士)出身のイ・スンジン合同参謀議長を排除したものと見られている。

 また、朴槿恵政権時代の大統領府のキム・グァンジン国家安保室長とパク・フンリョル警護室長は、陸軍士官学校第28期の同期だ。彼らが陸軍士官学校の後輩であるチャン・ジュンギュ当時陸軍参謀総長(第36期)を自分たちの影響下に置こうとしたという疑惑も持ち上がっている。弾劾が棄却され、これに反発する市民たちの集会が激しくなる場合に備えて、朴槿恵大統領府側が、自分たちが統制できる戒厳令実行計画作成を指示した可能性があるということだ。

 大統領府側もこのような可能性に重点を置いている。与党関係者は「特別捜査団を立ち上げる際、陸軍を排除したのもこのためだ」と話した。

今月20日、大統領府が公開した「戦時戒厳及び合捜業務の遂行案」文書に添付された対応計画の細部資料=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 同文書が作成された当時、朴槿恵大統領府の雰囲気も戒厳令が具体的に実行される可能性があったことを裏付けている。機務司の「戦時戒厳及び合同捜査業務遂行案」は、朴槿恵当時大統領の弾劾審判の決定(3月10日)を控えて作成された。当時、大統領府は憲法裁判官8人の弾劾認容・棄却の見通しを5対3または4対4程度と見て、弾劾棄却の可能性が高いと分析したという。弾劾認容基準の6人には達しないという判断を下したのだ。当時、大統領府関係者は「憲法裁裁判官の意見が大きく分かれていると聞いている」とし、弾劾棄却に重きを置いていた。当時、朴前大統領側は、国会の弾劾訴追案議決過程が適法ではなかったとして、「弾劾却下」の論理も同時に掲げた。弾劾棄却または却下を期待していた当時大統領府の雰囲気からして、機務司の戒厳令の文書を単なる「検討文書」とは言えないのもそのためだ。

 また、この日大統領府が公開した67ページの「対応計画の細部資料」は、これに先立って公開された8ページの戒厳令文書(戦時戒厳及び合同捜査業務遂行案)とは異なり、2級機密に分類された点も疑惑を膨らませている。

キム・ボヒョプ記者、パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/854214.html韓国語原文入力:2018-07-20 20:41
訳H.J

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