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文在寅大統領と金正恩国務委員長が26日午後、板門店の北側地域にある統一閣で首脳会談をしている。ソ・フン国家情報院長(左)とキム・ヨンチョル北朝鮮統一戦線部長(右から二人目)が陪席した＝大統領府提供//ハンギョレ新聞社

　文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の電撃的な2回目の首脳会談で、一時は“座礁の危機”にあった朝米首脳会談が正常軌道に戻った。南北が4・27板門店(パンムンジョム)宣言で合意した「年内終戦宣言」および「平和体制構築議論」も速度を上げると見られる。大統領府内外では、来月12日にシンガポールで開かれる朝米首脳会談に文大統領が合流し、南-北-米の首脳が共に終戦宣言をする可能性も議論されている。

　文大統領は27日、大統領府春秋館で開かれた記者会見で「朝米首脳会談が成功する場合、南-北-米の3者首脳会談を通じて終戦宣言が推進されたら良いという期待を持っている」と明らかにした。彼はこの日の会見で「南・北・米の3者間直通電話(ホットライン)の可能性」を尋ねる質問に「南北間に最近それが開設されたし、また朝米間にも今後構築される必要があると見る。南北米3国間のホットライン通話の開設まで進むには、事前に南北米3者間の首脳会談から先にできるのではないかと考える」と答え、このように話した。

　文大統領の「南-北-米終戦宣言」言及は、4・27南北首脳会談で合意した「板門店宣言」に従ったものだ。南北両首脳は板門店宣言で「南と北は停戦協定締結65年になる今年、終戦を宣言し停戦協定を平和協定に切り替え、恒久的で堅固な平和体制構築のための南・北・米3者、または南・北・米・中4者会談の開催を積極的に推進していくことにした」と合意した。歴史的な朝米会談の成果を基に、南-北-米首脳間の終戦宣言まで持って行く意志を表明したわけだ。

　大統領府の高位関係者もこの日記者たちと会って「3国間終戦宣言は、4・27 (板門店)宣言にすでに含まれている。こうした方案に対する検討が必要だという側面で協議は進めている」と明らかにした。ただし「3者首脳会談をどのように、いつ開催するかの具体的な内容については、まだ(南北間の実務次元で)合意しておらず、内部実務次元で可能性だけが検討されている」と付け加えた。

　大統領府は条件さえできれば、朝米会談の直後に文大統領がシンガポールを訪問し、南-北-米首脳会談に参加する方案についても可能性を開けておき準備中だという。ある大統領府関係者は「決定されてはいないが、すべての可能性は開けている」と述べた。ただし、3者首脳会談が可能になるには、それに先立って開かれる朝米首脳会談の成功が前提になるが、今はようやく朝米会談の火種を生かした段階であり、生半可に見通すことは難しいという心配も多い。また別の大統領府関係者は「トランプ大統領が一旦は朝米会談の成功に専念するのではないかと思う」と話した。朝米が朝鮮半島の完全な非核化と北朝鮮の体制保障をめぐり実務交渉で一定の進展を見ても、核心的内容は両首脳が対座して決める可能性が高く、朝米会談以後を展望することは難しいという話だ。

　一部では、ドナルド・トランプ大統領が朝米会談の期間延長の可能性を表わしたことについて、南-北-米3者会談を念頭に置いた発言と解説してもいる。トランプ大統領は26日(現地時間)、自身のツイッターを通じて「私たちは北朝鮮と首脳会談を実施することについて再び生産的な対話をしている。もし実施するなら、(これまでと)同じ日である6月12日のシンガポールになるだろう。必要ならば、その日を越えて(期間が)延びることもありうる」と明らかにした。「日帰り」会談と言われてきた朝米首脳会談の期間が長くなるという意味でありうるが、この期間に南-北-米の3者が会って対話して、終戦宣言をするための期間を念頭に置いたものではないかとも解釈できる。

　国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル首席研究委員は「シンガポールで南-北-米が会い、終戦宣言をする可能性が70～80％程度はあると見る」として「北朝鮮が敵対意識を感じるのは韓米同盟だ。北朝鮮が非核化に着手してから完了するまで、体制の安全を保障するための“過渡期的安全保障”次元で3者が会って終戦宣言をする可能性がある」と指摘した。