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韓国、性的マイノリティの人権指数は欧州49カ国のうち44位の水準

登録:2018-05-18 09:15 修正:2018-05-18 13:15
SOGI法政策研究会「韓国LGBTI人権現況2017」発表 
韓国より性的マイノリティの人権低い国家はモナコ、トルコ、ロシア
2017年4月20日午前、ソウル光化門広場で大学性的マイノリティの会連帯QUVなどが記者会見を開き、「大統領候補は性的マイノリティの人権保障を約束せよ」として差別禁止法の制定を要求している=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 昨年の韓国の性的マイノリティの人権指数を欧州49カ国の調査結果と比べたところ、44位の水準であったことが明らかになった。

 SOGI法政策研究会が17日、国際性的マイノリティ嫌悪反対の日を迎えて発行した性的マイノリティ人権報告書「韓国LGBTI人権現況2017」によると、昨年の韓国の「レインボー指数」は11.85%にとどまった。レインボー指数は性的マイノリティの人権と関連した法条項の有無などを分析して数値化した指数で、今回の発表には国際性的マイノリティの人権団体である「イルガ・ヨーロッパ」(ILGA Europe)が欧州49カ国を評価する際に使用した基準を韓国にも適用した結果を反映した。

 性的マイノリティが非性的マイノリティと完全に平等な待遇を受ける国のレインボー指数を100%と仮定した場合、上位グループにはマルタ(91.04%)、ノルウェー(77.74%)、英国(75.73%)などが挙げられた。一方、韓国と性的マイノリティの人権指数が似たような水準である国はイタリア半島中部の山岳地帯に位置したサンマリノ(12.32%)が挙げられ、韓国よりも低い国にはモナコ(9.76%)、トルコ(8.6%)、アルメニア(7.2%)、ロシア(6.4%)などが含まれた。

 研究会は、性的志向による平等権侵害行為を調査する国家人権委員会の権限▽トランスジェンダーの法的な性別変更が可能▽性的指向を理由にした差別を禁止した「ソウル特別市学生人権条例」▽憲法で婚姻を異性間の結合と明示しなかったことなどをレインボー指数の加点要因として反映した。

 しかし、国内では依然として包括的差別禁止法が設けられておらず、性的マイノリティに対する差別的表現と犯罪を規制する法律などがないという点で、韓国は性的マイノリティの人権が低いと評価された。さらに、憲法も第36条1項で「婚姻と家族生活は個人の尊厳と男女平等を基礎として成立されて維持されなければならず、国はこれを保障する」と指摘しており、「男女平等」を「性の平等」と直すべきだという指摘が提起され続けていた。

 特に昨年4月、陸軍が性的マイノリティの軍人を摘発し、人権侵害に近い捜査を行い、軍刑法第92条6項で定められた醜行罪を事実上「同性愛処罰法」に活用した事実は、韓国の性的マイノリティの人権の現実を示す事件として指摘された。ハン・ガラムSOGI法政策研究会長は「2013年以降、欧州での性的マイノリティの人権指数は改善されている一方、同じ期間で韓国は下落傾向を見せている」とし、「今回の報告書は6・13地方選挙を控え、中央政府と地方自治体が性的マイノリティの人権向上のためにすべき課題を含んでいる」と伝えた。

 SOGI法政策研究会は2013年から性的マイノリティに対する差別と人権侵害を国内外に知らせるため、毎年韓国語と英語でそれぞれ報告書を発表してきた。「韓国LGBTI人権現況2017」は研究会ホームページから誰でもダウンロードして見ることができる。

ソン・ダムン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/845099.html韓国語原文入力:2018-05-17 19:41
訳M.C

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