セウォル号の沈没原因を原点から再度調査しているセウォル号船体調査委員会(船調委)が、外部の物体との衝突説(外力説)に対して正式に問題を提起し、調査に着手した。これまでセウォル号沈没の原因は検察が発表した復元力喪失など船体内部問題のためというのが定説だったが、船調委が外力説についても公式に調査する方針を明らかにした。
セウォル号の船体調査に集中する船調委1小委員会は13日午後、ソウル市中区の船調委ソウル事務所7階会議室で公開会議を開き、メディアにこのような方針を明らかにした。クォン・ヨンビン1小委員長は「船調委がこれまで調査した結果、セウォル号が惨事当日、左舷のフィンスタビライザー(船のバランスをとる設備)側の船尾(船の後方)から船首(船の前方)の方向へ、水中物体によって衝撃を受けたのではないかという疑問が提起された」と明らかにした。クォン1小委員長はさらに、「(今日の会議は)今後追加でさらに調査する部分を決めるために、今までの調査で確認された客観的事実を整理する場だ」と説明した。
船調委はこれまで、セウォル号沈没の原因を究明するための各種外部委託調査を進めた。最近、船首の方向を測定するジャイロコンパスが正常範囲を超えて作動した原因を分析する実験と、フィンスタビライザーが正常範囲を超えて動いた原因が何なのかを確認した検査、セウォル号のブラックボックス(航海データ記録装置)の特定場面に対する委託調査などを総合した結果、外力説についてさらに調査する必要があるというのが船調委の判断だ。船調委は「正常に船が旋回すれば1秒に1度も傾くことはないが、セウォル号内部のブラックボックス映像を見ると、船が1秒に10度も傾くなど、外力が作用しなければ説明できない点が発見された」と説明した。
これまでセウォル号沈没の原因は過積載、復元性の喪失、固定の不良、操舵ミスなど、検察が発表した4つが定説となっていた。クォン1小委員長は「検察が明らかにした原因は、総合的に沈没原因を調査して出た結論ではなく、復元力(傾いた船を元の状態に戻す力)喪失という結論を決めて行ったものと見なければならない」と批判した。