“朴槿恵(パク・クネ)大統領府”が、セウォル号の惨事の責任を避けるため、朴前大統領が報告を受けた時刻や回数などを改ざんしていた事実が検察の捜査によって明らかになった。惨事当日、大統領府災害・安保担当参謀たちの代わりに官邸を訪問したチェ・スンシル氏およびドアノブ3人組と対策を議論した事実も新たに明らかになった。あきれ、惨憺たる思いだ。
検察の発表によれば、朴前大統領は救助のゴールデンタイムが過ぎた事故当日午前10時22分ごろになってようやくキム・ジャンス安保室長と初めて電話で話し、書面報告書もその直前に官邸の寝室に伝達された。数百人の命がかかった一刻を争う重大な状況であるにも関わらず、儀礼的な救助指示だけして本館に出ないまま、官邸に留まり続けていたということだ。午後2時15分にチェ・スンシル氏が官邸に来てからようやく中央災難安全対策本部の訪問を決定し準備に入ったとは、開いた口がふさがらない。
リアルタイムで11回の書面報告を受けたという当初の主張と異なり、朴前大統領は午後と夕方、たった二回だけチョン・ホソン秘書官から状況報告書を受けとったという。セウォル号の船内の最後のカカオトークがあった午前10時17分をゴールデンタイムと見て、非難を避けるためにこれより早い午前10時に報告を受けたかのように、すべての書類と証言を改ざんしたというのが検察の判断だ。
当時、全国民が神経を尖らせてテレビ中継を見守っている状況だったが、大統領は、安保室長の二回の緊急電話も受けずに寝室に留まり、ドアの前まで来たアン・ボングン秘書官が何度も呼ぶ声で外に出たという。なぜその時間まで寝室に留まっていたのかは、今回の捜査でも明らかになっていない。
弾劾と拘束事由でもこのような荒唐無稽な職務遺棄の責任は十分に追及しなかった。彼女が犯したどの国政壟断罪よりも軽くない。2期特別調査委と船体調査委が再び活動中だ。浮かばれない犠牲者の魂がせめて慰労を受けられるよう、最後まで真実を明らかにするのが生きている者の責任だ。
(お問い合わせ japan@hani.co.k)