ドナルド・トランプ米大統領が環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)への復帰を検討するよう公式的に指示したことについて、韓国の通商当局は「米国の復帰が実現する場合は、私たちもTPPに加盟する方向で、米国と水面下の協議を進めている」と明らかにした。当初、米国の復帰とは別に、今年上半期にTPPに加盟するかどうかの結論を出すことにしたが、米国の「復帰検討」への着手が現実化する中、米国と歩調を合わせて加盟する案を積極的に検討しているという。
13日、通商交渉本部関係者は「今回の韓米自由貿易協定(FTA)改正交渉で、米国側と緊密な通商ネットワークを構築した。米国がTPPに復帰する場合は、同じ時期に私たちも一緒に加盟する方向で米国と協力することにしており、現在、米国側と協議を行っている」と話した。キム・ヒョンジョン通商交渉本部長は、今月5日に行われた「新通商戦略」ブリーフィングで、「米国が復帰した際、韓国のTPP加盟が適期に行われるよう協力する」と明らかにした。米国が抜けた現在の11カ国TPPから、韓米が共に加盟する13カ国の「新TPP」を目指すというものだった。
ただ、政府はトランプ大統領が「我々のやり方でなければならない」という条件をつけて「より良いTPPに向けた再交渉」を復帰条件として言及しただけに、米国側の再検討の動向を注視しながら、対応戦略をまとめる方針だ。従来の11カ加盟国は、オバマ政権時代に妥結した既存の協定文のうち、知識財産権など22の条項だけを「留保」として除外し、協定文自体はそのまま維持しており、トランプ流の力ずくの交渉戦略がどのような影響を与えるかに注目が集まっている。
今年3月11日、加盟国が国別に批准手続きに入った直後、韓国政府は「米国の復帰とは関係なく」TPPに加盟するかどうかについて結論を出すことにした。しかし、米国が復帰を公式的な検討し始めたことを受け、同時期の加盟の方に方向転換した。政府関係者は「TPPは製造業や農産物などの分野に対し、他の自由貿易協定に比べてかなり幅広く、高い水準の開放を掲げている」とし、「事実上日本とFTAを結ぶ効果などを総合的に考慮し、TPPに対応している」と話した。