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韓米専門家「朝米首脳会談では大きな枠組みの政治的合意で十分」

登録:2018-03-22 04:16 修正:2018-03-22 09:33
韓米核政策のリーダーシップ構想国際カンファレンス 
専門家ら、北朝鮮の核完成宣言・制裁・韓国の仲裁を 
5月朝米会談の開催合意の背景に挙げ 
非核化、具体処置は会談後に「トップダウン」方式で 
韓米、周辺国疎外しないようにとの助言も
ジェニー・タウン韓米研究所副局長//ハンギョレ新聞社

 韓国と米国の専門家らは4月の南北首脳会談と5月の朝米首脳会談開催の合意を引き出した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の“仲介役”を高く評価しながらも、今後実質的な交渉過程が容易ではないだろうと見込んだ。彼らはまた、文大統領が今後の米国との協力をもとに、中国や日本など主要関連諸国が疎外されないよう、注意する必要があると助言した。

 21日午後、ソウルプレスセンターで開かれた「2018韓米核政策のリーダーシップ構想国際コンファレンス」に出席したジョンズ・ホプキンス国際関係大学院のジェニー・タウン韓米研究所副局長は、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が朝米会談を提案した背景について、「北朝鮮は数十年間、米国と閣僚級会談をしようとしており、驚くべきことではない」とし、北朝鮮が核武力の完成宣言や南北対話に積極的な文在寅政権に対する認識、対北朝鮮制裁などの理由で、ドナルド・トランプ米大統領との首脳会談に乗り出すことにしたのだろうと分析した。フランク・オム米平和研究所上席研究員も「制裁の効果が現れ、金正恩が核を完成したということ、そして文在寅大統領が(平昌)冬季五輪というたった1度しかないカードでここまで状況を導いてきたこと」こそが、金委員長が朝米会談に臨む背景だと話した。ハン・ヨンソプ国防大学教授は「(米国の対北朝鮮軍事オプションで取り上げられた)鼻血戦略を避けるための意図」だと分析した。

フランク・オム米平和研究所上席研究員//ハンギョレ新聞社

 5月の米朝首脳会談とその後の過程に対する専門家らの見通しは分かれた。一旦、米国政府の準備不足などの懸念について、専門家らは概ね朝米首脳が非核化などの大きな枠組みで政治的合意を導き出すだけで十分ということで一致した。タウン副局長は「両首脳が外交と交渉の道を開くトップダウン方式になるだろう」とし、「今回はプロセスの終わりではなく、外交的過程の始まり」だと話した。非核化の検証など今後の具体的な措置に対する合意が行われることまで、今回の首脳会談に期待してはならないということだ。ハン教授も「首脳会談で(非核化過程に対して)具体的に取り上げることはできないが、核廃棄のガイドラインは提示すべきだ」と話した。ジョンズ・ホプキンス国際関係大学院のビル・マッキー二韓米研究所研究員は、1994年にジミー・カーター元米大統領が訪朝し、金日成(キム・イルソン)主席とジュネーブ合意の礎を築いたことを振り返り、「(朝米首脳会談の目的は)両首脳が会って広い枠組みを作ること」だとしたうえで、「南北首脳会談が(朝米会談)の1カ月前に開かれることも(このような合意に)役立つだろう」と話した。

 しかし、オム上席研究員は「金正恩が非核化を約束するようにすることと、金正恩氏が実際に非核化を履行することは違う」とし、「金正恩は結局核を放棄しないだろう」と見通した。

 4月の南北首脳会談と5月の朝米首脳会談を控えた文在寅大統領が「避けるべきこと」を問う質問に、タウン副局長は「南北対話は国際的な支持がなくてはうまく進まない」と強調した。彼女は今後、北朝鮮との会談の成果がいい場合、いかに米国の対北朝鮮制裁を見直すようにするかなど、米国を説得する問題と共に「米国や韓国、北朝鮮だけが(関連が)あるのではないということを忘れてはならない」とし、「主要関連諸国が疎外感を感じないよう、随時接触しなければならない」と強調した。

 オム上席研究員も、同じ質問に「(文大統領が)韓国と米国、同盟とパートナーたちとの緊密な協力態勢を維持すべきだ」とし、「北朝鮮が(非核化など韓米が)望んでいることを実行するまで、北朝鮮に圧力を加えることも必要だ」と話した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/837132.html韓国語原文入力:2018-03-21 21:53
訳H.J

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