朝鮮半島平和定着の構想を始動
推進委員長務めた10・4宣言の時も
「南北、3カ国4カ国終戦宣言に協力」を明示
中国も合流した場合は北東アジアの平和体制の動力に
文大統領「当面の目標だけではなく先を見据えるべき」
平和体制の構築における「米国の役割」を強調
南北合意だけでは平和担保できない
朝米関係の正常化超えて経済協力を強調
朝米の国交正常化・対外経済への障害解消してこそ
北朝鮮の改革・開放「普通の国」への道が開かれる
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が21日、南北首脳会談準備委員会で「南北米3カ国首脳会談」の実現可能性を示唆し、今後の会談を通じて朝鮮半島の核と平和問題を完全に終わらせなければならないと述べた。4月末の南北首脳会談と5月の朝米首脳会談以降について、文大統領が描いている朝鮮半島平和定着の構想の一端を明かしたのだ。両会談を通じて非核化問題を含む朝鮮半島情勢に突破口が用意されれば、朝鮮半島で冷戦体制を終わらせ、平和共存の制度化に向けて朝鮮戦争の公式的な終戦を宣言し、経済協力と外交関係などを含めた「朝米関係の正常化」を推進する意向を明らかにしたものと解釈される。
文大統領は同日の会議で、朝鮮半島の恒久的平和体制に向けた米国の役割を繰り返し強調した。朝鮮半島の平和定着は、南北間の合意だけで実現するわけではないという点を明確にしながら、「米国の保障が必要だ」と述べた。文大統領は特に「それには、朝米関係が正常化しなければならない。さらに、朝米間の経済協力まで進展しなければならない」とし、首脳会談準備委員会がこのような目標と見通しを持って会談の準備に取り組むよう指示した。現在の停戦体制では、南北が終戦宣言をして平和協定を締結したとしても、米国をはじめとする朝鮮半島周辺国の保障がない限り(恒久的平和体制の実現は)不可能だ。したがって、終戦宣言と平和協定、さらに朝米間の敵対関係の清算と経済協力はもちろん、朝米国交正常化まで念頭に置いた大きな枠組みの中で、北朝鮮に対する体制安全保障を制度化する方策を作ってこそ平和体制が確立すると見ている。
文大統領のこのような構想は2007年、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時、南北首脳会談推進委員長として取り組んだ「10・4宣言」(南北関係の発展と平和繁栄のための宣言)を見ると明確になる。2000年の初の南北首脳会談の成果である「6・15宣言」の継承を皮切りに、計8項目で構成された10・4宣言の第4項で、南と北は「現在の停戦体制を終息させ、恒久的な平和体制を構築していかなければならないという点で一致し、直接関連した3カ国または4カ国首脳が(朝鮮)半島地域で会談し、終戦を宣言する問題を推進するため協力していく」ことで合意した。
「3カ国または4カ国首脳」は停戦協定の署名当事国である米国・中国・北朝鮮、または戦争当事国である韓国と北朝鮮・米国・中国を意味する。したがって、南北に続き朝米首脳会談まで順調に進むと、南北米3カ国首脳が集まり、朝鮮半島の非核化と恒久的平和体制に向けた次の手順について協議することも可能になる見通しだ。ここに中国まで加わると、朝鮮戦争に終止符を打つ終戦宣言と共に、北東アジアにおける多国間平和体制の構築に向けた土台になり得る。大統領府関係者は「文大統領が準備委員会で目標やビジョンについて多く語った」とし、「当面の目標に向けた実務的なレベルだけで進めず、先を見据えて取り組んでほしいという趣旨だった」と話した。
文大統領が「朝米間の経済協力」の重要性を強調したのも同じ脈絡からだ。非核化の進展によって対北朝鮮制裁が解除され、北朝鮮がいわゆる「普通の国」として国際社会の一員になるためには、何よりも朝米国交正常化と共に、北朝鮮の対外経済活動を妨げている米国の各種国内法の改廃が行われなければならない。これを通じて、国際通貨基金(IMF)と世界銀行への加盟が先行してこそ、北朝鮮も改革・開放に進む可能性がある。過去、中国とベトナムも米国と国交を正常化し、両機関に加入した後、本格的に改革・開放政策を推進することができた。
キム・ウィギョム大統領府報道官は、文大統領が「今回の南北首脳会談の合意文に過去2回の首脳会談で合意した基本事項をすべて盛り込んで、国会批准を受けるように準備するよう」指示したと伝えた。文大統領は、大統領選挙候補時代から南北関係の持続性を維持するためにも、南北間の合意事項の国会批准を通じた「制度化」が重要だと強調してきた。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「これまでの合意事項と今回の会談の内容を忠実に盛り込めば、ドイツ統一の礎となった『東西ドイツ基本条約』同様、法的拘束力を持つ『南北基本条約』が作られることになるだろう」と話した。