イム・ジョンソク大統領秘書室長が16日、南北首脳会談準備委員会(準備委)の初会議を終えた後に明らかにした南北首脳会談の「3大議題」は、歯車のような構造を成している。朝鮮半島の非核化や恒久的平和定着、南北関係の進展が歩調を合わせて回り出してこそ、朝鮮半島情勢も先に進むことができるからだ。
準備委委員長のイム室長がこの日真っ先に取り上げた議題は「朝鮮半島の非核化」だ。大統領府関係者は「究極的な問題は非核化」だとし、「特使団の訪朝内容を見ると、北側も今回本質的な問題を解消するという立場ではないかと思う」と話した。南北首脳会談で朝鮮半島問題の“本質”である非核化問題を取り上げることに、南北の間で異論がないということだ。
非核化は、朝鮮半島内部の問題であると同時に、朝米を中心とした国際問題でもある。2000年と2007年の首脳会談当時に比べ、北朝鮮の核・ミサイル能力がはるかに高度化しただけでなく、今回の会談に続き、北朝鮮の核廃棄問題をめぐり談判を行う史上初の朝米首脳会談も予定されている。したがって、南北首脳会談では非核化に対する原則を改めて強調する一方、朝米の談判に先立ち、南北両首脳がこれと関連し、胸を開いて話し合う必要がある。
イム室長が南北首脳会談の2番目の議題に「画期的な軍事的緊張緩和を含めた恒久的平和定着」を挙げたのは、「体制安定」に対する北朝鮮の憂慮を払拭してこそ、非核化対話を実際に進展させることができるからだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、平昌(ピョンチャン)冬季五輪閉幕式に出席するために訪韓した金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長に、「非核化の方法」を具体的に提示し、説明した。これに対し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は今月5日、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長などの訪朝特使団との面会で、非核化原則を明らかにしつつも、北朝鮮に対する軍事的脅威の解消と体制安全の保障をその前提として掲げた。チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員は「北朝鮮に対する従来の体制安全保障案は、朝米関係の正常化と平和体制」だとし、「今回の会談では、北朝鮮が憂慮する安保的状況を南北関係で補完する形で、平和共存を制度化する必要がある」と指摘した。
「新しく大胆な南北関係の進展」も前の2つの議題と関連している。非核化過程の進展によって平和ムードが作られれば、国際社会の対北朝鮮制裁措置が解除され、南北関係も実質的な進展を成し遂げられるからだ。大統領府関係者は「根本的な問題に進展があってこそ、経済や交流も拡大できる」と話した。非核化と平和定着問題でどこまで成果が出せるかによって、南北関係の進展の幅も変わるということだ。
ひとまず南北首脳間の直通電話(ホットライン)が開設され、板門店(パンムンジョム)で実務型の首脳会談が開かれるなど、出発はこの上なく良い方だ。政府が今回の会談を「第3回南北首脳会談」ではなく、「2018南北首脳会談」と呼ぶのは、南北の首脳がいつでもまた会えることを示すためと言える。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「国際法上、依然として“一旦停止”状態の朝鮮戦争の終戦を宣言し、南北関係の未来を規定する基本協定づくりに向けた共同推進機構を設置する問題などにまで、議論を拡大していく必要がある」と指摘した。