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検察、隠しカード見せながら「ダース実所有」追及…李元大統領「私は知らなかった」

登録:2018-03-15 09:06 修正:2018-03-15 09:47
李明博元大統領、検察出頭

検察、ダース疑惑の核心から質問 
李元大統領、予想通り容疑を否認すると 
押収捜索の物証と供述で圧迫 
 
午後5時から「100億ウォン台のわいろ」調査 
李元大統領「カネを受け取った事実知らなかった」否認 
側近たちとの対質調査はせず 
 
朴槿恵の時とは違って映像録画 
検察側、監視カメラで調査を見守る 
昼食はソルロンタン、夕食はコムタン

収賄、職権乱用、横領などの疑いを受けている李明博元大統領が14日午前、ソウル瑞草洞のソウル中央地検に出頭している=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 史上5番目の元大統領に対する検察の調査が、14日午前から激しい緊張の中で行われた。前職大統領に対する礼遇は備えたが、調査が始まると検察はこれまで外部に公開されなかった証拠と供述まで出し、李明博(イ・ミョンバク)元大統領を圧迫した。李元大統領は「ダース」実所有の疑惑からサムスンの訴訟費肩代わりなど、100億ウォン台の収賄容疑まですべて否認した。

 ダースと関連し李元大統領は、10年前の特検捜査の時と同じ供述を繰り返したが、今回は検察が持っている“武器”が違った。検察は、李元大統領が否認するたびにダースと関連する内容を報告された大統領府報告書や借名財産管理の内訳が書かれた帳簿を取り出した。検察関係者は「李元大統領は弁護人の助力を受け、本人の立場を十分に説明した」と調査室の雰囲気を伝えた。

「ダースの実所有者」捜査で攻撃開始

14日午前9時50分、シン・ボンス先端犯罪捜査1部長とイ・ボクヒョン特殊2部副部長は、長方形の机をはさみ李元大統領と向き合って座った。李元大統領の隣りには、過去の特検の時も李元大統領を弁護したカン・フン弁護士が座った。検察は、職業などを問う「人定訊問」を省略し、すぐに核心に入った。

 最初の質問は「ダース実所有疑惑」だった。予想通り容疑を否認すると、検察はすぐに収集した証拠を提示した。「本文書には義弟の故キム・ジェジョン氏の死去後、実兄のイ・サンウン・ダース会長の株を息子のシヒョン氏に移すことを謀議する内容が書かれているが、見たことはないですか」「カン・ギョンホ・ダース社長は、このような内容を謀議した事実を認め、大統領に報告したと言っているが、報告を受けた事実はありませんか」など、押収捜索を通じて確保した資料と核心関係者の供述をもとにした質問を投げた。

 午後5時20分からは、サムスンの「ダース訴訟費代納」を含め民間領域で100億ウォン(約10億円)台のわいろを受け取った疑いに対する「第2ラウンド」の調査が行われた。ソン・ギョンホ特殊2部長の主導で、わいろ供与者だけでなく伝達者などの詳しい供述をもとに、李元大統領から最大限多くの供述を引き出し、供述に弱点がないか探すのに注力した。李元大統領はやはり「カネを受け取った事実自体を知らなかった」という趣旨で疑惑を否認した。検察関係者は「一般的に被疑者が否認するのも権利であり、やはり一般論で特殊捜査をするとき被疑者が容疑を認定することを前提に捜査はしない」とし、「李元大統領の立場を聞くことが私たちの目的」と話した。

 検察はこの日、ダース実所有疑惑を先に調査した理由について「犯行の動機の前提事実であるため、この部分を確定していくのが効率的と判断した」と説明した。李元大統領がダースの持ち主であることを先に確認してこそ、今後秘密資金造成や脱税の容疑の調査へとつなげられるという説明だ。BBK投資金140億ウォン(約14憶円)回収の過程で大統領府を動員した疑いと、サムスンにダースの訴訟費を代納させた疑いもやはり同じ脈絡だ。この日、側近との対質調査は行われなかった。

14日午前、李明博元大統領がソウル瑞草洞のソウル中央地検に出頭している=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

ソルロンタンで昼食…国内外メディア600人が殺到

 この日の李元大統領の調査過程は、1年前の朴槿恵(パク・クネ)前大統領調査の時とは違い、すべて映像録画され、ハン・ドンフン3次長などは監視カメラ(CCTV)を通じてリアルタイムで調査状況を見守った。検察関係者は「突発状況が生じる恐れがあるため、実務責任者として見るのであり、調査に関与はしていない」と説明した。

 李元大統領は午後1時10分に外部から配達されたソルロンタンを食べ、7時10分頃から夕食にコムタンを食べた。検察関係者は「事前にどんな食事がよいかと弁護人側に聞き、それを反映したもの」と伝えた。朴前大統領の昼食はのり巻き・いなり寿司・サンドイッチの弁当で、夜はお粥だった。

 調査に先立ち、李元大統領も朴前大統領の時のように10分ほどハン・ドンフン3次長、シン・ボンス、ソン・ギョンホ部長らと一緒に庁舎10階の特殊1部長室でのティータイムを持った。李元大統領はこの席で「偏見なく調査してほしい」と話し、ハン次長は「法に則って公正に捜査する」と答えたという。ティータイムにはカン弁護士を含め、パク・ミョンファン、キム・ビョンチョル、ピ・ヨンヒョンからなる弁護人4人も同席した。

 この日、ソウル中央地検庁舎は午前7時頃から国内外メディアの取材陣600人余りが集まりひどく混雑し、「李明博拘束」を叫ぶデモ隊も庁舎周辺のいたるところに場所を占めた。朴槿恵前大統領の召喚の時とは異なり、李元大統領の支持者たちは10人余りで小規模だった。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/836134.html韓国語原文入力:2018-03-15 00:45
訳M.C

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