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ソウル牛耳洞で朝鮮戦争時の民間人虐殺推定地を発見

登録:2018-02-04 21:36 修正:2018-02-05 12:37
江北区牛耳洞で遺骸8体以上発見 
うつ伏せで手首結束など虐殺被害の典型
朝鮮戦争期間に民間人が集団虐殺されたと推定されるソウル市江北区牛耳洞319番地の現場=法人権社会研究所ナム・インウ研究委員提供//ハンギョレ新聞社

 朝鮮戦争期間に民間人が集団虐殺されたと推定される場所がソウルで初めて発見された。遺骸6体が収拾され、未収拾遺骨が2体以上残っていると見られる。

 朝鮮戦争戦後民間人犠牲者全国遺族会(遺族会)は、ソウル市江北区(カンブクク)牛耳洞(ウイドン)319番地(牛耳新設都市鉄道庁舎そば)で、朝鮮戦争期間に行われた民間人集団虐殺と推定される遺骸8体以上が発見されたと4日明らかにした。発見された遺骸は、6歳から60歳までと年齢帯が多様で、ほとんどは男性だが一部は女性も含まれていると推定される。遺族会は、国防部遺骸鑑識団の「ソウル市牛耳洞情報提供発掘地域遺骸および遺品現場鑑識結果」報告書を引用し、このように明らかにした。

 遺骸は昨年、牛耳新設線都市鉄道庁舎工事をした際に、作業していた労働者によって発見された。この労働者は昨年11月16日、ソウルの江北警察署に申告し、江北署は国防部遺骸鑑識団に遺骸の調査を依頼した。

 国防部は報告書を通じて「民間人犠牲者の遺骸と思われる特徴が、今回の遺骸からも発見された」と明らかにした。腰部にはゴムひもが巻かれ、ゴム靴を履いた遺骸がうつ伏せで手首に針金が巻かれ縛られていたが、これらは民間人犠牲者埋葬地の遺骸発掘で共通して確認される特徴だということだ。一部の遺骸からは、脊椎に朝鮮戦争当時に使われた“M1”小銃から発射されたと見られる弾頭が刺さっており、四肢骨と頭蓋骨には死亡当時にできたと見られる骨折も確認された。

 民間人虐殺場面を目撃した経験を持つ牛耳洞で生まれ育ったウォン・ヨンボンさん(83)の証言が、遺骸の様子と一部一致する点も(これらの遺骸が民間人集団虐殺の被害者のものであるという推定に)説得力を加えている。戦争以前から牛耳洞で暮らしていたウォンさんは「中学1年だった1951年10月、警察が6・25戦争(朝鮮戦争)以前に北からやってきて暮らしていた音楽の先生夫婦と妻の母、息子2人の一家5人を射殺するのを目撃した」と証言したことがある。ウォンさんが目撃したという虐殺場所は、今回発見された遺骸埋葬地から約25メートル離れたところだ。

 遺族会は「9・28ソウル収復以後に不法に強行されたいわゆる“反逆者”に対する恣意的処刑・虐殺の物的証拠が初めて発見された」として、今回の発見に意味を与えた。また「民間人犠牲者を管轄する行政安全部過去事整理支援団は、真実和解委員会の調査業務を維持するだけで追加調査はできず、現時点では追加の遺体発掘や真相究明は不可能だ」として「真実和解委員会法の改正を通じて、当時の過去事に対する追加真相究明をしなければならない」と主張した。

チェ・ミニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/830742.html韓国語原文入力:2018-02-04 17:46
訳J.S

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