「マレー代表チーム監督の表情が良い。選手団のムードも熱く非常に良い」
寒波がやややわらいだ28日午後、忠清北道鎮川(チンチョン)の国家代表選手村を外側から眺めた風景は、快晴な天気で平和だった。同じ時間、選手村内のスケートリンクは、南北女子アイスホッケーチームの練習試合で熱くなっていた。単一チームのある関係者は「南北の選手たちが混じり合って初の合同訓練を行った。選手たちの熱情的な姿勢に代表チームを指揮するサラ・マレー総監督も満足した表情で見守った」と説明した。
マレー総監督は26~27日の2日間は、北朝鮮の選手たちの訓練に集中した。選手たちのスケーティング能力、パス技術、視野など技術的な力量だけでなく、積極性や攻撃性などの性格までおおかた把握した。この日の初めての合同訓練では、韓国選手中心の組織に調和するように溶け込める北朝鮮の選手たちを探索した。北朝鮮の選手たちに詳しいアイスホッケー界の元老は「北朝鮮の選手たちの長所である体力をどう活用するかを考えているだろう」と話した。
マレー総監督は、北朝鮮の選手12人を含む単一チーム35人を2チームに分けた。午前は別々に2チームの訓練を指導し、午後はミニゲームを行った。練習試合を通じて北朝鮮の選手たちのチーム融合力を評価し、競争無風地帯だった韓国の選手たちの発奮を促した。
過去の南北対決で北朝鮮が優位だった女子アイスホッケーは、最近2年間で韓国の優勢に変わった。韓国代表チームはマレー総監督の指揮の下、豊富な実戦経験を積み、競技運営能力と技術力を引き上げた。北朝鮮の選手たちは、経験が不十分な反面、体力に優れているという。昨年の札幌アジア競技大会に出場したショートトラック関係者は「北朝鮮のショートトラック選手たちの体力的能力は非常に優れている。体力テストだけなら韓国選手たちはついて行けないだろう」と話した。アイスホッケー種目も同じというのが大半の意見だ。
北朝鮮の選手たちは、単一チームに合流してスケート、スティック、ヘルメット、保護帯、練習服を新たに身につけた。宿泊、食事、スケートリンク、専門的な装備管理支援まで環境が変わり意欲を培っている。外部で心配していた選手たちの間の和合もうまくいっており、南北単一チームがチーム戦力上昇のシナジー効果につながることに期待が高まっている。マレー総監督はこれに先立って22日の記者会見で「北朝鮮の選手たちは守備中心の4組に出るだろう。しかし彼女たちが熱心で、韓国の選手が熱心でないならば、何が起きるのか誰にも分からない」として、冷静に選手たちを評価すると明らかにしたことがある。
平昌五輪本戦B組(韓国、スイス、スウェーデン、日本)の開幕戦である2月10日のスイス戦まで13日しか残っていない。2月4日に仁川(インチョン)で開かれるスウェーデンとの評価試合は、単一チームを公開舞台に上げる初めての実験台だ。単一チームの関係者は「難しい環境で単一チームがスタートしたが、20~30代の選手とコーチ陣が心を一つにして感動の競技を準備している」と話した。