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[社説]初の単一チーム実現、今や議論より声援だ

登録:2018-01-25 20:15 修正:2018-01-26 06:47
南の女子アイスホッケー選手団が25日、平昌冬季五輪で単一チームとして一緒に走る北の選手たちを忠清北道鎮川の国家代表選手村スケート競技場の前で初めて会い、花束を渡しながら歓迎している=鎭川/写真 共同取材団//ハンギョレ新聞社

 冬季五輪史上初めて南北単一チームで参加する北朝鮮の女子アイスホッケー選手たちが25日、韓国の選手たちと初めて会った。韓国中部の鎮川(ジンチョン)の国家代表選手村に入村した北の選手たちは、見慣れないものばかりでぎこちないだろう。彼女らをむかえる南の選手も同じだ。五輪の開幕をわずか10日後に控えた今やっと会った南北の選手たちが、チームワークを築いて組織力をもって出場するというのは不可能に近いほど難しい課題だ。尖鋭な賛否両論など政治・社会的な議論にもまきこまれた。しかし、とにかく国際五輪委員会(IOC)などが世界平和という五輪の趣旨を前面に掲げて「南北合同チーム」を決めた。相手チームもエントリーの拡大など南北単一チームに対する例外を受け入れる方に配慮している。

 さまざまな理由で相変らず単一チームに批判的な見解はありえる。それでも今はまず南北の選手たちを励まし応援する時だ。大会を1カ月も残さずに単一チームが議論されることについて、マリー監督は当初否定的な意見を見せていた。しかし、単一チームが結成された今、融和のために北と南の選手のロッカーを混ぜて配置するなど、与えられた状況で最善を尽くす姿を見せている。

 政府も単一チーム結成の過程で簡単に判断したり、当事者の心をきちんと理解できなかった部分があったと認めた。これは今後、南北関係推進の過程で教訓としなければならないだろう。また、大会が終わった後ていねいに振り返ってみる必要もある。しかし、いまだに議論をたきつけ、計算機をはじいて「南の選手の被害」を分秒単位でつまらなく追及するのは望ましくない。文字通り「一つのチーム」であるべきで、南北の選手をそのように分け隔てするのは合同チームの趣旨に合わない。それが本当に南の選手のためとも見がたい。また北の選手たちに対して「無賃乗車」として刺すような視線を送る人がいるが、北の選手たちが単一チームに混ぜてくれと言ったのではない。すべては監督に任せ、今は一歩後に控えておく時だ。

 なかでも保守野党は政略的利益のために若い選手たち巻き込まないよう望む。反対に、議論を擁護する過程で「ドイツの代わりに出場する」「単一チームを前提に出場権を得た」というなど、事実関係が間違っている主張をして結果的に選手たちに傷つけることは自制しなければならない。多くの批判と論議を呼んでも、南北の若者が一つになって一緒に氷上を滑走する姿だけでも単一チームは十分に価値がある。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/829406.html韓国語原文入力:2018/01/25 18:04
訳T.W