本文に移動

李明博に至る「もう一つの経路」元大統領府秘書官は口を割るか

登録:2018-01-18 22:52 修正:2018-01-19 10:02
検察、キム元秘書官拘束後、初の召喚調査 
彼に特殊活動費伝達の役割をさせた“上層部”に注目 
当時直属上官だったクォン・ジェジン民政首席に疑惑の視線
李明博政府時代、国家情報院から不法資金を授受した疑いを受けているキム・ジンモ元大統領府民政2秘書官が、16日午前ソウル市瑞草区のソウル中央地裁に令状実質審査を受けるために出廷している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 国家情報院特殊活動費不法授受(わいろ)の疑いで検察に拘束されたキム・ジンモ元大統領府民政2秘書官(52)が18日、拘束収監以後初めて検察に召喚され調査を受けた。

 検察はキム元秘書官の閉ざされた“口”を開くために苦心している。キム元秘書官は16日に開かれた拘束前被疑者尋問(令状実質審査)でも、国家情報院特殊活動費5千万ウォン(約518万円)を受け取った事実は認めながらも、これを指示した人が誰なのか、その金を再び誰にどんな用途で伝達したのかについては一切口を閉ざした。検察は、キム元秘書官に特殊活動費を受け取らせた人物が、結局李明博(イ・ミョンバク)元大統領に連結される核心部の一つと見ている。

 李明博をすでに狙っている検察としては、この部分の確認が不可欠だ。大統領府に特殊活動費が流入した3つの経路のうち、李明博に連結される蓋然性が高いと見ているわけだ。キム・ペクチュン元総務企画官が受け取った4億ウォン(約4150万円)、キム・ヒジュン元第1付属室長が受け取った10万ドルは、両方とも現金で動いたうえに、本人が金品授受自体を全面否定(キム元企画官)していたり、李明博夫妻に直接渡してはいないため、検察が李明博との関連性を立証するには多くの峠を越えなければならない状況だ。

 一方、キム元秘書官は、相変わらず自身は「単純伝達者」に過ぎないと主張し、周辺でも彼が調査だけを受けて拘束される状況は免れると予想していたという。ところが、突然拘束されたうえに適用罪目も特定犯罪加重処罰法のわいろなので、裁判を通じて容疑が認められれば重刑が避けられない。

李明博政府時代に国家情報院から不法資金を授受した疑い(特定犯罪加重処罰法上のわいろ授受)で拘束されたキム・ジンモ元民政2秘書官が18日午後、調査を受けるために護送車から下り、瑞草区のソウル中央地検に向かっている/聯合ニュース

 検察は、キム元秘書官が自身の責任を軽くするためにも、結局は捜査に協力すると期待し、彼が大統領府で勤務していた当時の直属上官クォン・ジェジン元民政首席に疑惑の視線を送っている。キム元秘書官に国家情報院特殊活動費5千万ウォンを受け取るよう指示した“上層部”がクォン元首席かも知れないという心証を持っているわけだ。クォン元首席は、当時李明博の信任が厚かった。検察の主要関係者は「キム元秘書官に指示できる範囲にクォン元首席も含まれる」と話した。

 クォン元首席とキム元秘書官の関係はきわめて近いと伝えられる。ある検察関係者は「代父と代子以上の近い関係」と評した。二人が初めて縁を結んだのは1999年、クォン元首席が当時ソウル地検刑事3部長だった時、キム元秘書官が部員として配置されて以来だ。その後、キム元秘書官は「JU詐欺」事件にかかわり懲戒を受け、大邱(テグ)高等検察に左遷されたが、当時高等検察庁長だったクォン元首席が彼を企画検事に任命して呼び戻したという。

 キム元秘書官は、李明博政府になってキム・ソンホ国家情報院長の時に最初の国家情報院長法律補佐官を務めた後、キム・ギョンハン法務部長官が新設した法務部政策企画団長を経て、2009年9月、クォン元首席と共に大統領府に入り2年半にわたり民政首席とその直属民政2秘書官(司政担当)として息を合わせた。

 クォン元首席が李明博政府最後の法務部長官として赴任した後、キム元秘書官(研修院19期)を検事長に昇進させるため、先輩期数である研修院14期のL、K検事を追いだしたことは検察内で良く知られている。その後、キム元秘書官は、米国訪問を終えて帰ってくるクォン元長官夫妻にハワイで夫人同伴で会い接待したと周囲に話しもした。検察の別の関係者は「国家情報院特殊活動費とはいえ、カネにまつわる手伝いは危険な仕事」とし、「検事出身のキム元秘書官にそのような仕事をさせられる人は多くない」と話した。

カン・ヒチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/828462.html韓国語原文入力:2018-01-18 20:33
訳J.S

関連記事