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一人、二人と口を開き始めた李明博の側近たち…今回は窮地に追い詰められる

登録:2018-01-16 22:01 修正:2018-01-17 08:08
キム・ジュソン元国家情報院基調室長 
「李明博は特殊活動費の上納を知っていた」 
キム・ソンウ前ダース社長「李明博の指示でダース設立」 
ウォン・セフン元国家情報院長 
「李明博大統領府に資金を渡した」 
核心側近が相次ぎ検察で陳述… 
李明博の直接捜査は不可避の展望
昨年9月28日、李明博元大統領がソウル市江南区にある自身の事務室に出勤している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 側近の口が李明博(イ・ミョンバク)元大統領をますます窮地に追い立てている。(株)ダースと国家情報院特殊活動費と関連した捜査が8合目を越えたという評価が出ている。数年間、多くの疑惑を無事にやり過ごしてきた李元大統領が、今回の検察捜査は簡単には避けられないという展望まで出ている。

 16日、李元大統領が国家情報院特殊活動費上納の事実を知っていたと述べたといわれるキム・ジュソン元国家情報院企画調整室長(71)は、李元大統領の最側近であり腹心と知られた人物だ。国家情報院の金庫番として資金を直接大統領府に渡した“キーマン”であるキム元企画調整室長が李元大統領と単独面談し、上納を報告したという陳述を検察が確保した。李明博大統領候補選挙キャンプのある核心関係者は「2008年の政権スタート直後、李元大統領が国家情報院長の人選より基調室長の人選にさらに気を遣い、キム元室長を座らせたほどだった」と伝えた。李元大統領は2005年ソウル市長時期、コーロンの副会長出身であるキム元室長をソウル市傘下の世宗(セジョン)文化会館代表理事に任命した。企業家出身を経験のない分野に重用する程に信任が厚かったという意味だ。

 キム元室長は2008年、国家情報院予算官を通じてキム・ベクチュン元大統領府総務企画官(78)に現金2億ウォン(約2千万円)を伝達した直後、李元大統領との面談を異例にも要請した。検察はこの面談が実際にあったと見ている。

 さらにキム元室長は、検察調査で当時報告はリュ・ウイク元大統領室長が調停したと明らかにしたという。この席でキム元室長は李元大統領に「国情院のカネが大統領府に渡ると問題になりうる」という趣旨で話したという。特に、最近非公開で検察の調査を受けたリュ・ウイク当時大統領室長も「当時、対面報告があったことは正しい」と検察に供述したという。

 このような供述が事実なら、その波及力は大きくならざるをえない。李元大統領の“執事”の役割をしていた中心の参謀が、巨額の資金を授受した事実を知っており、不法性に対する警告を受けながらも黙認・幇助したという意味と受け止められるからだ。さらに、李元大統領が国情院に人事権、監督権などを行使できる位置にいたという点で、賄賂罪成立要件である「代価性」が認められる可能性も大きくなる。結局、側近たちの供述が一様に李元大統領が直接釈明するしかない立場に押し出しているということだ。

李明博政府時代、国情院から特殊活動費を受け取った疑いでキム・ベクチュン元大統領府総務企画官(左)とキム・ジンモ元大統領府民政2秘書官の逮捕状が出された。16日、キム元企画官とキム元秘書官がソウル中央地裁に令状実質審査を受けるため出頭している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 李元大統領の“ダース実所有主”疑惑と関連しても、ダース内の“李明博の代理人”と名指しされたキム・ソンウ元社長が最近検察に「李元大統領の指示で(株)ダース(旧、テブ機工)が作られた」という趣旨の自白書を提出したことが確認された。キム元社長は、1977年から1988年まで李元大統領が現代建設会長として在職した時、8年間資金担当部長などとして勤めた中心的な側近だ。

 キム元社長は、2007~2008年検察と特検調査の段階では一貫してダースは李元大統領とは関係のない会社だと述べ、これは「ダースは李元大統領の所有ではない」という検察と特検の結論の核心根拠になった。だが、キム元社長が陳述を翻したために、ダース秘密資金120億ウォン(約12億円)余りの造成経緯やダースがキム・ギョンジュン氏から140億ウォン(約14億円)の投資金を回収する過程などを対象にした検察捜査も新しい局面を迎えることになった。そのうえ、ダース秘密資金の決裁ラインにいたK元ダース専務までキム元社長と同様の趣旨の自白書を出した。李元大統領に対する直接調査を先送りできない状況に入り込んでいるわけだ。検察関係者も「もはや李元大統領に対する直接捜査は避けられない」と明らかにし、李元大統領に対する召喚調査を念頭に置いていることを示唆した。

 さらに2013年の国家情報院大統領選挙介入事件捜査の時から獄中生活をしながらも李元大統領の関連性に対しては口を閉ざしてきた“キーマン”ウォン・セフン元国家情報院長までが「李明博大統領府」に支援金を渡した事実だけは認めたという。李元大統領をめぐる各種の疑惑のパズルが、最側近の口によって解かれつつあるわけだ。

キム・ヤンジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/828051.html韓国語原文入力:2018-01-16 20:31
訳J.S

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