「なぜ(和解・癒やし)財団をなくさないのか。財団をなくして、日本から受け取ったというお金を政府が送らなくちゃ」
老患で入院中の「日本軍性的奴隷制被害者」のキム・ボクトンさんは7日、見舞いに来たカン・ギョンファ外交部長官に会い、はきはきした声で話した。
尹美香(ユン・ミヒャン)韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)共同代表はこの日、自身のフェイスブック・アカウントにキムさんとカン長官が会った姿を撮影した動画を上げた。映像の中のキムさんは、健康の悪化で横になってはいたが、手を上下に振って「和解・癒やし財団を解散しなければならない」として「日本から受け取ったお金も政府が送らなければならない」と力を込めて話した。カン長官は「その金で(和解治癒財団の職員の)月給を払うということも、ちょっと話にならない。お金の問題はおばあさんの気が済むように、うまく処理する」と答えた。
尹代表は、カン長官が6日には地方にいる「日本軍性的奴隷制被害者」ハルモニ(おばあさん)に会ったとし「キム・ボクトンさんは今日、コンディションがとても良いようです。『日曜日もありません』と挨拶するカン・ギョンファ長官に『仕事をしているとは言えない』と言い、『和解治癒財団も解散させられず、10億円も返せていない』とご自身の考えを吐露した」と伝えた。さらに「おばあさんも『闘う』と仰るので、自分たちの姿を省察させられた」と自身のフェイスブック・アカウントに書いた。キムさんは4日には、見舞いに来た文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「弾丸が飛び交う所でも生き残ったのに、これしきのことに負けられない。日本の慰労金を送り返さなければならない」として「とはいえこの複雑な時期に難しいことは分かるので、私たちが政府を信じて待つべきだろうが、私たちも歳だから大統領がこの問題の解決に力を使ってほしい」と頼んだ。文在寅大統領は「ハルモニが望まれたとおりにすべてができなかったとしても、政府が最善を尽くすのでゆったりした気持ちでいて欲しい」と話した。
キムさんは、老患で一週間以上新村(シンチョン)セブランス病院で入院治療中だ。