「韓日日本軍慰安婦被害者問題合意を検討するタスクフォース」(TF)の検討報告書が27日に公式発表されたことで、政府の今後の対応に注目が集まっている。
大統領府と外交部は比較的慎重な態度を示した。大統領府関係者は「政府は慰安婦被害者の皆さんの名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒すために、真剣で実質的な措置を講じる」とし、「被害者女性らや関連団体、専門家の意見を十分聴取・反映し、今後の韓日関係に及ぼす影響も考慮していく」と話した。同関係者は「来年、平昌(ピョンチャン)冬季五輪以降や2、3カ月先送りするような問題ではないという判断を持っている」と付け加えた。被害者と関連専門家の意見を十分聞き入れた後、来年の平昌冬季五輪に影響を及ぼさないよう、適切な時点で政府の対応策を考えるものと見られる。
カン・ギョンファ外交部長官も同日、検討報告書を発表する場で「TF報告書に基づき、被害者団体と専門家たちの意見に謙虚に耳を傾ける」としたうえで、「韓日関係に及ぼす影響も考慮しながら、慰安婦合意に対する政府の立場を樹立していく」と明らかにした。既存の「12・28合意」が被害者中心主義を無視したというTFの指摘を受け入れながら、慰安婦問題をめぐる意見の相違と軋轢が韓日関係全般に否定的な影響を与えないように管理するということだ。
TFは報告書の結論で「慰安婦など歴史問題が韓日関係だけでなく、対外関係全般に負担を与えないよう、バランスの取れた外交戦略を講じなければならない」と提案した。また、TFは、慰安婦問題が「戦時女性の人権」問題であり、「歴史」問題であるだけに、「短期的な外交交渉で解決することは難しい」としたうえで、「長期的に価値と認識の拡散、未来世代の歴史教育を並行して推進すべきだ」と提案した。一気に衝撃的な解決策を模索するよりは、広い視野と長い目で地道に解決していかなければならないということだ。
したがって、政府が直ちに既存の12・28合意の無効化か、再交渉に乗り出すことはないとみられる。政府当局者は「被害者中心主義に基づき、幅広く意見を聞かなければならないというのが同報告書の指摘であるだけに、政府政策はさまざまな意見を聞いて整理する過程を通じて(方針が)決まるだろう」と話した。