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理解に苦しむ「12・28慰安婦合意」の真相は何だったのか

登録:2017-12-26 05:22 修正:2017-12-26 12:37
合意2周年の前日にTF報告書を発表 
外交部はTFと距離を置く模様 
平昌五輪控え韓日関係を意識
カン・ギョンファ外交部長官と河野太郎日本外相が今月19日、東京飯倉公館で会談を行う前に握手している//ハンギョレ新聞社

 27日の「韓日日本軍慰安婦被害者問題合意を検討するタスクフォース」(以下「慰安婦合意」TF)の結果発表を控え、韓日政府だけでなく、「慰安婦」被害者の女性たちや関連団体も神経をとがらせており、国内外で緊張が高まっている。今月28日は韓日政府が2015年の「慰安婦」問題合意を発表してから2年めとなる日だ。

 カン・ギョンファ外交部長官は公式発表に先立ち、26日に外交チャンネルを通じて、日本政府に「慰安婦合意」TF報告書の内容を説明するものと見られる。カン長官は今月19日、日本の河野太郎外相と会談し、「慰安婦合意」TFの経過について説明し、20日の記者懇談会では「TF報告書が出る前に日本側に詳しく説明するのが外交的礼儀」だと明らかにした。

 カン長官はこれに先立ち、「慰安婦の合意に対するTFの分析・評価が、直ちに政策建議につながるわけではない」と線を引いたが、日本政府はカン・ギョンファ外交部長官の直属TFであるだけに、その結果を黙過できないという立場だ。政府関係者は25日、「TFの結果が政府政策に示唆するところがあるだろうと懸念しているようだ」と話した。最近、日本側では「慰安婦合意」TFの結果が否定的である場合は、「座視できない」「平昌(ピョンチャン)冬季五輪をきっかけにした安倍首相の訪韓は難しい」などの発言で、韓国政府を圧迫している。日本外務省も、カン長官の訪日当時、外相会談資料などで「慰安婦合意の着実な履行」を強調した。

 一方、文在寅(ムン・ジェイン)政権は「慰安婦合意」TFをはじめ、「慰安婦」問題について慎重な姿勢でアプローチしている。「慰安婦合意」TFの発表を控え、外交部がTFと“距離”を置こうとする姿や、カン長官の訪日関連の外交部報道資料に「慰安婦」問題関連議論の内容がほとんど取り挙げられなかった点などが目を引く。これに外交部内外では、来年2月の平昌冬季五輪を控え、文在寅政権が韓日関係に影響を及ぼしかねない「慰安婦」問題の言及を避けているのではないかという分析もある。このような側面から、政府が平昌冬季五輪以降に「慰安婦」問題関連の政府政策決定を先送りすることが有力視される。政府関係者は「政府もTFの結果を重要視する」とし、「TFが究明した事実関係を国民に忠実に説明し、被害者や関連団体の意見を汲み上げる過程を経るなど、政府が開かれた立場で方向を決めるというものであり、他の意図があるわけではない」と話した。しかし、韓日関係の改善という外交的必要性と、国民の圧倒的多数が「慰安婦合意」に批判的な国内の政治的状況の中、文在寅政権が立場を決めるのは容易ではないだろうというのが大方の予想だ。

 尹美香(ユン・ミヒャン)韓国挺身隊問題対策協議会代表は同日、「カン・ギョンファ外交部長官がTF結果について(TFレベルの)評価であって、政府の立場ではないと明らかにしたのは政府の立場が揺れていることを示している」とし、「これは(政府が)自らTF(報告書)発表の公信力を落とすもの」だと批判した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/825032.html韓国語原文入力:2017-12-25 21:49
訳H.J

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