世界各国の首脳が2018平昌(ピョンチャン)冬季五輪(2月9~25日)に出席する意向を先を争って明らかにしている。彼らの相当数が五輪期間中に文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談を望んでおり、外国首脳らとの2カ国または多国間会合の可能性もあるため、平昌五輪をきっかけにしたさまざまな首脳外交の場が開かれる見通しだ。
カン・ギョンファ外交部長官は26日、ソウル都染洞(トリョムドン)外交部庁舎で記者懇談会を開き、平昌五輪と関連し、「(国際オリンピック委員会を通じて)首脳レベルで出席の意思を表明した国は43カ国で、(韓国政府との2国間会談を行う意向を)確認した国は15カ国」と明らかにした。
韓国政府に首脳の五輪への出席意思を明らかにした国には、フランス(エマニュエル・マクロン大統領)のほかにもカナダ(ジュリー・パエッテ総督)やバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)などがあるという。ノルウェーやフィンランドなど冬のスポーツ大国の首脳級の出席可能性も高いと予想されている。このほか、オーストラリアとニュージーランドは長官級が出席する意思を明らかにした。
外交部当局者は「普段交流があまりなかった欧州の小さな国さえ大きな関心を示している。(2国間会談を実現させるのには)いつ来ればいいのかと尋ねるほど」だとし、「大規模選手団を派遣する冬季五輪の強国はもちろん、国交正常化以来初めて五輪を機に首脳が訪韓するという国も少なくない」と話した。
米国からは選手団とともに高官級代表団が五輪に出席するものと見られる。これに先立ち、大統領府関係者は先月「11月7~8日に行われたトランプ大統領の国賓訪韓の際、(トランプ大統領が)文大統領に『平昌五輪に私が行くのは難しいかもしれから、家族でも送る』と述べた」と伝えた。このため、トランプ大統領の長女であり、ホワイトハウスの補佐官であるイバンカ・トランプ氏と婿のジャレッド・クシュナー・ホワイトハウス上級顧問らが出席する可能性もあるとされる。ある外交消息筋は「イバンカ夫婦の他に高位級代表団といえばレックス・ティラーソン国務長官も考えられるかもしれない」と予想した。
中国は、習近平国家主席、または政治局常務委員など高官級代表団を派遣する可能性が高い。習主席は先月、アジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議をきっかけにベトナムのダナンで開かれた韓中首脳会談で、「(平昌五輪への出席を兼ねた)訪韓に向けて努力する。もし、事情により行けなくなっても、高官級代表団を派遣する」と述べた。現在のところ、次期商務部総理に内定された党序列第7位の韓正上海党書記の出席可能性が非常に高い。ある外交消息筋は「中国の高官級代表団とすれば政治局常務委員を意味する」とし、「習主席が来られなければ、序列第2位の李克強首相か序列3・4位に当たる栗戦書全国人民代表大会常務委員長内定者、汪洋次期政治交渉会議主席、または序列5位の王滬寧政治局常務委員などが来る可能性もある」と見込んだ。
日本の安倍晋三首相が出席するかどうかは不透明な状態だ。当初、安倍首相は先月文大統領との電話会談で「五輪期間中、国会予算委員会が開かれる予定だが、出席を検討する」と述べた。しかし、朝日新聞は今月21日付で、河野太郎外相がカン・ギョンファ外交部長官との会談で、「安倍首相の訪韓は難しい」という趣旨で述べたと報じた。一方、外交部は「日本が安倍首相の訪韓について検討するという立場を明らかにした」と反論した。