カン・ギョンファ外交部長官が19~20日、就任後初めて日本を訪問する。文在寅(ムン・ジェイン)政権が4強(米中日ロ)の中で唯一の関係改善の契機を掴めない日本とのこじれを復元するために乗り出すものと見られる。しかし、12月末に予定された「12・28日本軍『慰安婦』被害者問題の合意検討タスクフォース(TF)」(以下12・28TF)報告書の発表を控えた今回の訪日が、両国関係の改善につながるかは不透明だ。
外交部は17日「(カン長官と河野太郎外務大臣は)19日午後に開催される韓日外相会談で韓日関係や北朝鮮・北朝鮮核問題を中心に相互関心事について意見を交換する予定」だと明らかにした。
これに先立ち、文在寅大統領は、慰安婦など歴史問題とその他の分野を切り離して対応する「ツートラック」アプローチを掲げる一方、今年7月に行った安倍晋三日本首相との首脳会談で、「シャトル外交」(両国首脳が懸案がある度に相手国を行き来しながら会談を開くこと)の復元にも合意しており、韓日関係の回復に対する期待感もあった。しかし、7月末、政府が2015年12月28日に行われた韓日政府が間慰安婦合意の経過と内容を再検討する12・28TFを発足させたことで、両国関係にはこれといった進展が見られなかった。12・28TF報告書を検討した後、12・28合意に対する立場を決めるという文在寅政権と、「合意の履行」を主張しながらも、韓国側の動きを注視している日本政府、いずれも実質的な関係正常化は先送りにしている状態だからだ。
今回の韓日外相会談の実質的な核心も12・28TFの検討結果に対する協議になるものとみられる。12・28TFは合意過程で、慰安婦被害者たちの意見が反映されなかった点など12・28合意の問題点を指摘する可能性が高く、日本の反発が予想される。朝日新聞は「(12・28TF報告書に)慰安婦合意について否定的な評価が盛り込まれるのは避けられない情勢で、韓国は日韓外交が再び冷え込むのを避けるため、カン長官が訪日の際、日本の反応を探った上で、(韓国が)合意の扱いについて最終判断する見通し」だと報じた。
カン長官は今回の会談で、12・28TF報告書の内容が直ちに政府政策につながるものではない点と共に、文在寅政権の「ツートラック」アプローチを再び説明するものと見られる。日本政府はもう一度12・28合意の履行を強調するものと予想され、文在寅政権の意志とは関係なく、当分の間、関係改善は容易ではない見込みだ。
早稲田大学の李鍾元(イ・ジョンウォン)教授は「韓日関係が劇的に破綻することはないだろうが、日本が日中関係を優先視しながら、韓国に対する圧迫を強化することもあり得る。平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開幕式に合わせ安倍首相が訪問するかどうかを圧迫カードの一つとして活用する可能性もある」と話した。
今回の会談で、平昌冬季五輪をきっかけとした安倍首相の訪韓と、来年1月の開催が有力視される韓中日首脳会議の推進問題も話し合われるものと予想される。さらに、北朝鮮が今月29日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星-15」型を試験発射して「国家核武力の完成」を宣言したことと関連し、北朝鮮に対する協力策も協議する方針だ。