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今年も良心的兵役拒否者を兵役忌避者として身元公開した兵務庁

登録:2017-12-22 07:33 修正:2017-12-22 07:59
昨年に続き「良兵的兵役拒否」を人的事項公開者に含む 
252人が「不当」訴訟提起…1審無罪26人も参加
宗教や平和的信念による良心的兵役拒否者は韓国で懲役1年6カ月の刑事処罰を受けてきた。昨年からは刑事処罰確定まで「兵役忌避者」の烙印を押され、兵務庁ホームページに身元まで公開される「二重処罰」を受けなければならない=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 宗教的理由で兵役を拒否したP氏(24)は、今年兵務庁から兵役義務忌避者の人的事項公開対象という通知を受けた。P氏は今年8月、釜山(プサン)地裁東部支所で、憲法上の良心の自由による兵役拒否を認められ、兵役法違反の疑いに対して無罪を言い渡された。P氏は20日、ハンギョレとの電話インタビューで「多くの裁判所で良心的兵役拒否を兵役拒否の『正当な事由』として無罪判決を下しているにもかかわらず、兵務庁に兵役忌避者の烙印を押されて個人情報まで公開すると言われ、不当だと思った」とし、「私は軍服務ができないため、代替服務を通じて社会に貢献できるようにしてほしいとしたのだが、単に兵役を逃れようとする人と同じように扱っている」と批判した。

 1審の無罪判決が2審で覆され、最高裁で無罪を争っている良心的兵役拒否者のK氏(22)も、P氏のように人的事項公開対象者という知らせを聞いた。K氏は「幼い頃から聖書の『隣人を自分の身体のように愛せよ」、「殺すなかれ」という言葉によって生きることを決心したので入営しない正当な事由があると思う」とし、「良心に基づいた行動は保護されなければならないが、かえって他の犯罪者と同様に取り扱うのは誤りだ」と話した。

 兵務庁は21日、兵役義務忌避者266人の人的事項を兵務庁ホームページに公開した。兵役法は、昨年から正当な事由なしに現役入営などに応じない人たちの身元を公開している。ところが、宗教や平和的信念による良心的兵役拒否者まで「故意の兵役忌避者」として名前を公開し、2次処罰を加えるのではないかという指摘が続いた。良心的兵役拒否者の身元を公開しても、兵役忌避者の身元公開の目的である「兵役義務履行」を達成するのも難しい。さらに、彼らの身元公開は、良心的兵役拒否者が刑事処罰を受ける韓国の状況に憂慮を表明し、特に彼らの個人情報が保護されなければならないという2015年の国連自由権委員会の勧告にも反する。

 しかし、兵務庁が2016年12月、良心的兵役拒否者の人的事項までホームページに公開すると、A氏など105人はソウル行政裁判所に「公開を取り消してほしい」という訴訟とともに、裁判所判決まで公開を中断してほしいという執行停止の申立てを出した。そして5月、ソウル行政裁判所6部(裁判長キム・ジョンスク)は「回復し難い損害が発生するおそれがある」とし、彼らの身元公開を判決の時まで停止するよう決定した。

 裁判所の執行停止決定にもかかわらず、兵務庁は今年も兵役忌避の身元公開リストに良心的兵役拒否者まで含めた。これにA氏など252人が同じ内容の訴訟を再び提起した。特に今年は1審の良心的兵役拒否の無罪判決が相次ぎ、P氏やK氏のように無罪判決を受けた26人も訴訟に参加した。ソウル行政裁判所2部(裁判長ユン・ギョンア)は彼らに対しても19日の判決まで身元公開を中止するよう再度決定した。

 訴訟を代理したキム・ジュンウ弁護士は「裁判所が相次いで身元公開執行停止申立てを受け入れたが、兵務庁の態度は変わっていない」とし、「裁判所の無罪判決が続き、憲法裁判所の決定を注視しているが、一度身元が知られれば大きな被害を受けるため、彼らの人的事項をむやみに公開してはならない」と指摘した。

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/824554.html韓国語原文入力:2017-12-21 17:20
訳M.C

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