良心的兵役拒否で実刑を言い渡されたペク・ジョンゴン弁護士が、大韓弁護士協会(会長キム・ヒョン)の弁護士登録拒否にも関わらず、法務部に異議申立てを出すなど最後まであきらめないと明らかにした。大韓弁協の決定は、欧州人権裁判所の決定など国際人権規範とかけ離れているという批判が出ている。
ペク・ジョンゴン弁護士は26日、ハンギョレとの電話インタビューで「法務部に異議申立てを準備中であり、異議申立ても受け入れられなければ行政訴訟を起こすつもりだ。敗訴しても国連自由権規約委員会に請願するなど希望を持ってドアを叩き続ける」と話した。また、「兵役拒否者たちは監獄にいる時よりも出た後の方がもっと多くの社会的不利益を負い、つらい生活をしている」とし、「個人的な問題もあるが、弁護士の基本使命である人権擁護において意味のある決定とし立場と権限を向上させる良い機会だったのに残念だ」と明らかにした。
ペク弁護士は昨年3月、良心的兵役拒否で懲役1年6カ月を言い渡され、1年2カ月目の5月に出所した。実刑で弁護士資格を失った彼は再登録を請求し、ソウル地方弁護士会(会長イ・チャンヒ)は今月9月、「良心的兵役拒否に対する社会的認識の変化を考慮し、適格の意見を出すことにした」と明らかにした。ソウル弁護士会が昨年、所属弁護士らを相手に行ったアンケートの調査でも、回答者(1297人)の74.3%が「良心的兵役拒否は憲法上の良心の自由に含まれる」と答えている。だが、大韓弁協は24日、「実定法を遵守すべき」として彼の弁護士登録を拒否した。弁護士法は、禁固以上の刑を宣告され執行が終わってから5年たっていない場合、大韓弁協が登録審査委員会議の議決を経て登録を拒否できるよう定めている。民主社会のための弁護士会は25日に声明を出し「登録拒否決定は基本権である人権擁護を使命とする弁護士会の役割を忘却した決定だと判断する。自分の信念を守るために切実に他の方法を望んだが、他の方法が塞がれていたために監獄を選ぶしかなかった弁護士を、監獄の外でも5年間押さえておかなければならない必要性は何なのか」と批判した。
大韓弁協の決定は、良心的兵役拒否者に対する無罪判決が続いている裁判所の変化だけでなく、国際人権規範にも反するという指摘もある。欧州人権裁判所はすでに2000年に、重犯罪で有罪判決を受けた人の公認会計士の任命を剥奪したギリシャ法の条項を良心的兵役拒否者に適用することは思想、良心と宗教の自由を持つ権利を侵害すると決定している。当時欧州人権裁判所は「深刻な刑事犯罪で有罪判決を受けた場合と異なり、宗教的理由で軍服を着るのを拒否した行為に対する有罪判決は、公認会計士としての仕事を遂行する能力を弱めるとは見難い」とし、「代替服務あるいは代替服務がないという理由で服役を終えた後も法と慣行で良心的兵役拒否者に対するいかなる差別もあってはならない」と指摘した。イム・ジェソン弁護士は「欧州人権裁判所が扱った事件は、ペク弁護士の事件とほぼ同じであり、これを基準にすると大韓弁協の登録拒否決定は良心と思想の自由に反する決定だと言える」と話した。
キム・ヒョン会長は「登録審査委員のうち5人は実定法の尊重、安保状況と兵役義務の重要性を強調して登録拒否を、3人は良心の自由は重要で最近無罪判決が多く出ているとして登録賛成をし、1票差で拒否決定が出た」とし、「代替服務制の導入には賛成するが、(現在のところ)代替服務制がなく(実定法に基づいて登録拒否が)避けられない状況なので、憲法裁判所が早く決定しなければならない」と話した。