登録 : 2017.11.28 22:27 修正 : 2017.11.29 08:32

全国女性労組「スタイリスト実態調査」結果発表 
90%が月10万円未満で一日10時間勤務 
「業界慣行」 「やりがい搾取」ゆえに劣悪条件放置 
「韓流産業は20代初めの女性の劣悪な労働条件を支えに成長した」

28日午後、ソウル市雲ヒョン洞のソウル労働権益センターで開かれた全国女性労働組合ソウル支部の「スタイリスト・アシスタント実態調査」の結果報告大会で、元スタイリストのKさん(24・写真右端)が労働実態について吐露している=パク・テウ記者//ハンギョレ新聞社
 「2年仕事をすれば企画会社の正社員になれると言われたが、月30万ウォン(約3万円)で24時間待機組で耐えることはあまりに荷が重かった。仕事をする以上、せめて最低賃金は受け取れる筈なのに…」

 芸能人の“スタイリング”を担当する元スタイリストのKさん(24)の話だ。Kさんは大学のスタイリスト学科を卒業し有名俳優のスタイリストになる夢を見たが、業界に蔓延した「情熱ペイ(やりがい搾取)」のために夢をあきらめなければならなかった。テレビ、インターネットメディア、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が時々刻々と伝える芸能人の華麗な姿とは異なり、彼らの衣装やアクセサリーを準備し身なりを整えるスタイリストたちは、勤労契約書もなく超低賃金、超長時間労働に苦しんでいることが分かった。

 28日、全国女性労働組合ソウル支部は、3月から8カ月間スタイリストとスタイリスト補助(アシスタント)203人を対象に実施した「ソウル スタイリスト労働実態調査」の結果を発表した。オンラインを通じて実施された今回の調査に答えた人々は、93.6%が女性で、78.3%が25歳未満だった。

 資料によれば、スタイリストたちの「劣悪な労働実態」がそのまま現れた。まず、回答者の92.1%が賃金を月100万ウォン(約10万円)も受け取れず、50万ウォン(約5万円)以下の人も半数に近い44.5%に達した。スタイリストたちの業務は、衣装研究企画(コーディネート)、製作から生地の調達、協賛衣装の受領、芸能人同行とお手伝いまで、非常に多様だった。しかし、賃金の大部分は「交通費」に消えていることが明らかになった。協賛衣装を受け取りに行く時、東大門(トンデムン)市場に生地を買いに行く時にかかるお金は、ほとんどが“自己負担”であったし、毎月食費や交通費を支払う使用者は“条件の良い使用者”に属した。

 深刻な低賃金にもかかわらず、労働時間が10時間以上の場合が89.9%に達した。芸能人のスケジュールにスタイリストも同行するケースが多いので、何日も連続で仕事をしたり、24時間待機する場合も多いことが個別応答分析の結果明らかになった。ある回答者は「相当なストレスを受けるほどに携帯電話を見ることが嫌でした。携帯電話を見れば連絡が来るような気がして、そうなれば仕事に行かなければならないと…」と吐露した。

 こうした“違法”または“無法”労働の背景には、“業界の慣行”があった。回答者の94.8%が、いわゆる室長・チーム長と呼ばれる個人事業者に雇用されていて、会社と契約したと答えた人は1.5%に過ぎなかった。特に、労働契約書を書いたと答えた人はわずか1.5%に過ぎなかった。スタイリストが仕事を見つける方法は、インターネットカフェ(40.2%)や学校・塾の紹介(23.6%)、知人の紹介(11.3%)の順だったが、個別応答を調べると“使用者”が具体的な賃金や労働条件に関する説明もせずに、「賃金はお小遣程度だけど大丈夫か」、「下積みはみんなそうだ」、「賃金なしで仕事をするという人も多い」などと言って“違法労働”を合理化していることが分かった。研究に参加した翰林大のシン・ギョンア教授(社会学)は「業務が補助的だという理由で、労働現場に入って間もない20代初めの女性という点を悪用して、賃金を低い水準に固定してこれを維持していく一種の談合がなされていると見られる」と分析した。

 「芸能人スタイリスト」という職業が、いわゆる青年たちの“羨望”職種という点も、こうした“情熱ペイ”を一層煽っている。実際、回答者の中には業務について「おもしろくて得るものが多い」、「幼い時からしたかったこと」、「好きな仕事」と明らかにする人もいた。これについてシン教授は「『自分の夢でなければ本当に最悪の職業』という回答者の言葉のように、“夢産業”が持つ魅力が超低賃金の被害者を作っている」として「いわゆる韓流産業の成長史が、まさにこうした20代の女性の超低賃金・超長時間労働を支えに成長してきた、“夢産業”が労働者に“夢”を実現できる産業にするための全面的な努力が必要だ」と明らかにした。

パク・テウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-11-28 17:27
http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/821086.html 訳J.S
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