今月13日、板門店(パンムンジョム)共同警備区域(JSA)へと脱北した北朝鮮兵士を追いかけた北朝鮮軍の追撃組が、休戦協定を違反した事実が明らかになったが、在韓米軍国連軍司令部(国連軍司令部)が北朝鮮と再発防止対策を協議することは現実的に難しいと見られる。
国連軍司令部は22日午前、国防部で脱北北朝鮮軍関連の調査結果を発表し、北朝鮮軍が軍事境界線(MDL)を越えて射撃したことと、追撃組の1人が軍事境界線を越えたことが「休戦協定違反」だと指摘した。国連軍司令部のチャド・キャロル報道官は「今日板門店(パンムンジョム)にあるコミュニケーション・チャンネルを通じて、北朝鮮軍のこのような違反事項について通知しており、韓国軍の調査結果を知らせた」とし、「再発防止対策を協議するため、会うことを要請した」と明らかにした。
しかし、国連軍司令部の要請に北朝鮮が応じるかどうかは不透明だ。北朝鮮が会議場に出ない限り、北朝鮮に休戦協定違反を問いただす方法はない。再発防止対策を協議する主体である軍事休戦委員会(軍休委)も事実上無力化された状態だ。北朝鮮は1991年、国連司令部首席代表に韓国軍将官が任命されたという理由で、軍休委への参加を拒否した。軍休委に代わって1998年から開かれた国連司令部-北朝鮮軍の将官級会談も、南北関係の悪化により2009年以降には開かれていない。また、休戦協定違反に対する制裁手段もない。国防部関係者は「今は(公式対話の)チャンネルがなく、拡声器で(違反事項について)通知し、北朝鮮が音声を録音して持っていくやり方で疎通が行われている。北朝鮮が反応を示すかもしれないし、示さない可能性もある」と伝えた。