インドネシアを国賓訪問中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9日「ASEAN(東南アジア諸国連合)と韓国の関係を朝鮮半島周辺4大国(米国・日本・中国・ロシア)と同じ水準に格上げする」とし、「ASEANとの協力関係を画期的に発展させていくため、新南方政策を推進する」と明らかにした。経済外交の領土を「G2」の米国と中国からASEANへと大幅に広げるということだ。ASEANの加盟国はインドネシアやマレーシア、シンガポール、フィリピン、ベトナムなど10カ国だ。
文大統領は同日午後、ジャカルタのリッツカールトンホテルで開かれた韓-インドネシアのビジネス・ラウンドテーブルとフォーラムに相次いで出席し、基調演説で人(People)・平和(Peace)・共生繁栄(Prosperity)の共同体、いわゆる「3P」を骨子とした「新南方政策」を発表した。文大統領は「ASEANとの協力関係を商品交易が中心だった関係から、技術・文化芸術・人的交流に拡大する」としたうえで、「人と人、心と心がつながる『人の共同体』、安保協力を通じてアジア平和に貢献する『平和共同体』、互恵的な経済協力を通じて共に豊かになる『共生繁栄の共同体』を一緒に作っていけることを望んでいる」と述べた。
これと関連してキム・ヒョンチョル大統領経済補佐官は記者団に「2020年までにASEANと韓国の交易規模を現在の中国との貿易(2100億ドル)に匹敵する水準である2000億ドルに拡大する」としたうえで、「中国に代わる市場を作る対策と言える」と述べた。彼はまた、「ASEAN10カ国がいずれも北朝鮮と外交関係を結んでいるだけに、北朝鮮を対話の舞台に復帰させる上でも、ASEANの外交力量を活用できるだろう」と話した。
文大統領とインドネシアのジョコ・ウィドド大統領は同日午後、ボゴールの大統領宮で首脳会談を行った後、「韓国とインドネシアの共同繁栄と平和に向けた共同ビジョン声明」を発表した。文大統領とウィドド大統領は「戦略的パートナーシップ(2006年締結)による恩恵が両国を超えて地域と全世界の平和・安定・繁栄の維持にさらに寄与する方向に向かうことを望んでおり、両国関係を『特別戦略的パートナーシップ』に格上げする」ことで合意し、基幹産業とインフラ、防衛産業などを含めた分野で協力を強化することにした。文大統領は「両国が積極的に進めている次世代戦闘機開発事業の円満な進行を含め、防衛産業分野で協力を深めていくことにした」とし、「2022年までに両国の貿易額を現在の2倍の300億ドル規模まで増やすことにした」と明らかにした。