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ハドリー元米NSC補佐官、「北核解決は韓米日の共助と中国にかかっている」

登録:2017-10-29 23:20 修正:2017-10-30 06:43
29日、ソウルで記者会見 
米国“軍事オプション”の可能性について 
「外交・経済的圧迫と制裁、“中国”を通じた方式」強調 
「軍事オプションは米国が願うものではない」
29日午前、ソウル市鍾路区のフォーシーズンホテルで、アトランティック・カウンシルのスティーブン・ハドリー副理事長(左から二人目)が記者の質問に答えている=ノ・ジウォン記者//ハンギョレ新聞社

 米国ジョージ・ブッシュ行政府でホワイトハウス安保補佐官を務めたアトランティック・カウンシルのスティーブン・ハドリー副理事長が韓国を訪れ、北朝鮮核危機と関連して「外交的解決が優先」と強調した。

 ハドリー副理事長は29日午前、ソウルのあるホテルで韓国の記者団と会い、韓米同盟と米国の対北朝鮮政策方向に対する質問に答え、このように述べた。ハドリー副理事長は、北朝鮮核問題を解決するための「軍事的オプション」発動の可能性について「トランプ政府と文在寅(ムン・ジェイン)政府が話し合わなければならない部分」としながらも「外交的に解決することが優先だ。外交・経済的圧迫と制裁、中国を通じる方式で解決した方が良い。窮極的な軍事オプションは私たちが願うものではない」と話した。

 果たして米国が中国に圧迫を加えて北朝鮮の非核化を引き出すことができるかという記者の質問に、ハドリー副理事長は「中国もこの問題の重要性を理解している」として「韓米が中国に現在の状況が持続可能ではないという点を理解させなければならない。(現在の状況は)中国にも種々の危険を招くので、中国が核武装した北朝鮮を喜びはしないと思う。韓米日三国が北朝鮮を阻止し(deter)、防御する(defend)方式で応えるはずだが、これは米国を東アジア安保に一層深く介入させる格好になることなので、中国はこれを望みはしないだろう」と話した。北朝鮮の核武装が引き起こす米国の朝鮮半島を含む東アジア地域への介入の可能性をテコにして、中国を説得しなければならないという話だ。

 続けてハドリー副理事長は「中国が北朝鮮に外交的経済的な圧迫を加え、北朝鮮の政策を変えさせるために影響力を発揮するよう願う」として「(北朝鮮の非核化は)中国や韓米のみならず北朝鮮にとっても良い。北朝鮮の核兵器および弾道ミサイル開発は、北朝鮮自身を安全でなく(less secure and less safe)させるためだ。もちろん金正恩(キム・ジョンウン)がそのように考えていないという点は認める。だが、彼が間違っていると考える」と付け加えた。

 この席でハドリー副理事長は、トランプ政府の対北朝鮮強硬基調に対する解釈も明らかにした。彼は、トランプ政府の対北朝鮮政策が過去の米国政府と大差ないと説明した。彼は「トランプ政府でも過去のクリントン政府でも、北朝鮮問題の解決を優先課題としているという点では同じだ」として「トランプ大統領が北朝鮮の核兵器プログラムと関連して『これは重要な問題だ。中国が北朝鮮イシューを無視してはならず、問題解決のために連帯して北朝鮮を圧迫し、非核化を達成しなければならない』というメッセージをはっきり伝達したという側面でよくやっている」と評価した。

 ハドリー副理事長は、トランプ大統領のツイッターメッセージに関しては「交渉と圧迫という意味が混じった(mixed)メッセージ」として「それぞれ違う方向に見えるかもしれないが一つの戦略だ。ツイッターメッセージだけを見ずに、実際に米国政府が何をしているかを見なければならない」と話した。米国が北朝鮮に向かって、強硬で戦争も辞さないというメッセージを送っているという側面だけを見るのではなく、実際に米国政府が行動に移すのは何かを見なければならないという話だ。彼は「米国政府が送るメッセージを、一般の人々や国際社会が見る時、紛らわしく見える側面もあるが“拡大解釈”をしてはならない」として「北朝鮮核問題を突破するための戦略を作るための交渉テーブルを準備する過程(setting the table)と考えるのが正しいようだ」と話した。

 彼はこの1カ月余り北朝鮮の追加“挑発”がない理由を尋ねる質問に「まだ判断するには早い。(国連安全保障理事会決議案など国際社会の)制裁の効果であるかもしれず、このまま延期(delay)になるのかも知れない」と答えた。現時点では北朝鮮が挑発しない方式でどのようなメッセージを送るのかは断言しにくいという話だ。

 保守政界から出ている戦術核兵器の再導入と関連して、ハドリー副理事長は「韓米両国が議論してみてもよい問題」と述べた。彼は「1992年に米国が韓国から戦術核兵器を撤収させたことは、朝鮮半島非核化のためだった」として「今は北朝鮮が核兵器を保有しているので、韓米首脳が再び議論してみることはありうるのではないか」と話した。

 ハドリー副理事長はまた、韓日間の過去の問題にも言及して「未来へ向かうための障害要素になるので回避することを希望する」として「韓日間の過去の問題の重さは十分に理解している。だが、北朝鮮核問題が過去とは異なり、韓国だけでなく日本にも脅威になっている。韓米日が協力してこそ解決が可能で、ロシアと中国も参加しなければならない。この状況で韓国が日本との過去の問題のために協力できないようではいけない。これは北朝鮮が願うことではないだろうか」と話した。

 スティーブン・ハドリー副理事長は、米国ジョージ・ブッシュ元大統領の在任時期にコンドリーザ・ライス氏の後任として米国国家安保補佐官を歴任した。アトランティック・カウンシルは米国の主な国際問題を扱う非営利シンクタンクで、9月19日(現地時間)の国連総会の時に訪米した文在寅大統領に「世界市民賞」を授与した。ハドリー副理事長は、ドナルド・トランプ米大統領の訪韓に先立ち韓国を訪れ、27日にはカン・ギョンファ外交部長官らに会った。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/816527.html 韓国語原文入力:2017-10-29 18:15
訳J.S(2582字)

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