ドナルド・トランプ米大統領の韓中日歴訪を控えた状況で、ジョセフ・ユン米国務省対北朝鮮政策特別代表がレックス・ティラーソン国務長官や高位級対北朝鮮特使の派遣など朝米間の対話再開を議会に説得するため死力を尽くしていると、米国の放送が伝えた。
NBC放送は25日(現地時間)、ユン特別代表と話を交わしたある議会補佐官の話を引用してこのように報道した。この放送は「ティラーソン長官も初期には外交的解決法に懐疑的だったが、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル試験に成功し、核兵器プログラムに進展を見せてから対話の重要性をますます信じることになった」と明らかにした。
ユン代表は、議会関係者たちと会った席で朝米間の対話が瓦解していると警告し、両側をますます衝突に追い込む過熱したレトリック攻防をやめ、外交的解決法を優先視するよう行政府を説得してほしいと応援を求めたという。
NBCは「トランプ大統領が(北朝鮮に対して)先制攻撃命令を下すと考える人はほとんどいないが、朝米間の疎通の不在が誤解の可能性を高め緊張を高揚させかねない」として「政府官僚も外交の不在が軍事行動の危険を増加させていると憂慮している」と伝えた。
米当局者は、ユン代表がホワイトハウスに対して外交努力の必要性が切迫していることを伝えられず挫折していると伝えた。ユン代表は、議会補佐官および政府関係者に「ホワイトハウスが外交を難しくさせている」という趣旨の吐露もしたと伝えられた。ユン代表は、昨年北朝鮮に抑留された米国人大学生オットー・ワームビア氏の送還を主導した。
この報道が事実ならば、国務省を中心に平壌(ピョンヤン)または第三国でティラーソン長官と北朝鮮側要人の高位級会談まで検討され、こうした方案がホワイトハウスの反対で壁に当たると、議会という“迂迴路”を通じてホワイトハウスを説得している状況と見ることができる。匿名を要求した消息筋は「こうした動きがある事は知っている」と話した。
一方、ジェームズ・マティス米国防長官は25日、フィリピンで開かれた「アセアン拡大国防長官会議」に参加した後、タイに移動する飛行機内で「私たちや同盟国が(北朝鮮から)攻撃を受ければ、防御的次元での軍事オプションを保有しているかって?当然だ」としつつも「しかし、すべての人が平和的解決法を追求している」と明らかにした。これは、北朝鮮の先制攻撃に備えた作戦計画は自衛権次元で準備しているものの、米国が先制的に軍事行動をすることはないという意味と見られる。