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公論化委員会の市民参加団、今は「再開」将来は「脱原発」を選んだ

登録:2017-10-21 05:42 修正:2017-10-21 10:27
新古里5・6号機、「工事再開」意見が59.5% 
「中断」の40.5%を19%p上回る 
今後の原発縮小には賛成53.2% 
大統領府「公論化委の勧告案を尊重」
「新古里5・6号機公論化委員会」のキム・ジヒョン委員長が今月20日、政府ソウル庁舎で公論調査結果を発表している=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 「新古里原発5・6号機の建設は続けるものの、原発は縮小すべき」。新古里5・6号機公論化委員会(新古里公論化委)の市民参加団が1カ月間にわたる熟議過程で経て出した“共存の解決策”だ。エネルギー政策をめぐる社会的葛藤という現実と社会的価値を同時に反映しながらも、脱原発の方向性を示す絶妙な賢明さが発揮された。

 新古里公論化委は20日、政府ソウル庁舎で記者会見を開き、「471人の市民参加団を対象に行った最終調査の結果、新古里5・6号機建設の再開を選択した割合が59.5%で、建設中止を選択した40.5%より19%ポイント高かった。統計的に有意義な誤差範囲を大きく超えた。政府に5・6号機建設の再開を勧告する」と明らかにした。公論化委はまた、「原子力発電の縮小、維持、拡大のどちらを志向するかを尋ねた結果、原発を縮小しようという回答が53.2%で、拡大しようという意見(9.7%)よりはるかに多かった。原発を縮小する方向でエネルギー政策を決定することを政府に勧告する」と付け加えた。キム・ジヒョン公論化委員長は「新古里5・6号機建設の再開と中断を主張する両方の立場はそれぞれの価値に基づいており、いずれも切実なものであったため、どちらか一方の立場を選択するのは非常に難しかった。しかし、2泊3日の総合討論会を終えた市民参加団が賢明な答えを出した」と述べた。

 公論化委は同日、9人の委員と471人の市民代表参加団の名で作成した「新古里5・6号機めぐる公論化の市民参加型調査報告書」をイ・ナギョン首相に提出した。大統領府のパク・スヒョン報道官は、公論化委の政府勧告案の発表について、「これまで3カ月間、熟議を経て勧告案を提示してくれた公論化委の意思を尊重する。後続措置が支障なく履行されるよう、政府は最善を尽くす」と明らかにした。政府は当初予告した通り、今月24日の国務会議で新古里5・6号機建設の再開の可否に対する最終的な政策を決定する予定だ。産業通商資源部が国務会議の決定を韓国水力原子力(韓水原)に通知すれば、韓水原は理事会を開き、工事の再開を決定する。原子力安全委員会が安全点検を行ってから、韓水原が新古里5・6号機保護施設を撤去し、本工事に入るまでは、1~2カ月程度かかるものと予想される。

 政府は大統領候補時代に明らかにした新古里5・6号機の建設中断の公約を守れなくなり、当面は無理な政策推進だったという批判を免れないものと見られる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が建設中の原発停止に対する政治的負担を減らすために導入した公論化が、かえって足を引っ張る形となった。自由韓国党など野党は公論化委の発表を受け、一斉に政府の新古里5・6号機建設の暫定中断措置を非難した。

 しかし、市民参加団が原発政策方向と関連しては「縮小」を選んだことで、エネルギー政策における政府の主導権はむしろ強化される見通しだ。新古里5・6号機の公論化をきっかけに、原子力界を中心とした「脱原発」反対世論が激しく吹き荒れ、ともすれば政府が推進しようとしている原発割合の縮小政策が後退するのではないかという懸念が高まっている状況で、公論化委の勧告は政府に「脱原発の名分」を与えた。政府は新古里5・6号機の建設中断については、反対世論を意識して公論化の過程を経たが、新規原発建設の白紙化や原発の設計寿命延長の禁止、月城(ウォルソン)1号機の早期閉鎖など、脱原発基調のエネルギー政策は、年内にロードマップを作るなど行政的な手続きだけで処理する方針を明らかにしてきた。世論に反して脱原発政策を推し進めようとするという批判を受ける可能性もある中、公論化委の勧告は政府のエネルギー政策推進に大きな動力として作用するものとみられる。産業部が今年末までに策定する予定の「第8回電力需給基本計画」にもより強力な脱原発基調のエネルギーロードマップが含まれる可能性が高くなった。

イ・グニョン先任記者、イ・ジョンエ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/815403.html 韓国語原文入力:2017-10-20 20:57
訳H.J(1973字)

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