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【社説】イ・ジュンソク候補、全国民の前で言語的性暴行、大統領候補の資格なし

登録:2025-05-30 08:37 修正:2025-05-30 08:59
野党「改革新党」のイ・ジュンソク大統領候補が事前投票前日の28日、ソウルの汝矣島公園で昼休みの散歩に来た会社員に対して支持を訴えている/聯合ニュース

 第21代大統領選候補者による3回目の討論会を見ていた多くの人々は、野党「改革新党」のイ・ジュンソク候補の発言を聞いて耳を疑ったことだろう。相手候補の「検証」を口実に、女性の身体に対する暴力を露骨に言及し、全国民がイ候補の言語的性暴行に無防備な状態でさらされた。最小限の人権の感受性すら備えていないイ候補には、大韓民国の大統領候補の資格はない。

 イ候補は27日、中央選挙放送討論委員会の主催で開かれた大統領候補討論会で、女性の身体に対する露骨な表現に言及し、野党「民主労働党」のクォン・ヨングク候補に「この発言は女性嫌悪に該当するのか」と質問した。最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン候補に対する批判を引き出すため、「イ候補の家族がネット上に性暴力のコメントを書いた」という極右ユーチューバーの主張を、そのまま引用したのだ。大統領候補が、真偽が未確認の内容を公論の場でまき散らし、あまつさえ女性に対するおぞましい暴力と卑下の表現を全国民を対象とする地上波の放送で口にするなど、前例のないことだ。イ・ジュンソク候補はイ・ジェミョン候補に対しても、いわゆる「兄嫁悪口」事件を持ち出し、一部の表現に言及したりもした。国家機関が主催する討論会で、女性に身体的暴力を加える犯罪行為を露骨に描写したため、討論会を見ていた人々は避けることもできずイ候補の暴力的発言にさらされた。相手候補を引き降ろすという盲目的な動機にすぎず、女性の人権と尊厳に対する最小限の認識も、国民に対する尊重も見当たらない。

 それでもイ候補は、今でも何が間違っているのか分からないという態度だ。イ候補は批判が強まると、「不快に感じる国民がいる可能性があることを知っていたし、これに対して深くお詫び申し上げる」としながらも、自身の発言が「表現をやわらげたものであり、どうやわらげるべきなのか分からない」と述べた。これに先立ち、ラジオのインタビューでは「肝心の本人の陣営内での問題については沈黙し無視する民主進歩陣営の偽善を指摘しないわけにはいかなかった」と主張した。全国民の前で女性を卑下・侮辱した発言に対する反省と謝罪は省略し、これを陣営の問題にすり替えている。

 イ候補はこれまで、女性や障害者などのマイノリティーに対する憎悪と分裂扇動政治を助長し、それを政治的動力にしているという批判を少なからず受けてきた。今回の大統領選討論会での性暴力発言の論議は、「イ・ジュンソク政治」の素顔を象徴的に示す事件だ。イ候補は、自身が国民を統合して国を率いるべき大統領候補としての資格があるのか、自ら省みなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1199907.html韓国語原文入力:2025-05-28 18:41
訳M.S

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