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朴槿恵政権、地方選挙意識して「分担金密約」隠した

登録:2017-10-13 00:12 修正:2017-10-13 07:47
2014年の第9次協定の際、大統領府NSCで裏合意を決定 
韓国を盗聴可能な米軍施設への現金支援 
米軍側に「秘密維持」を求め国会にも報告せず 
キム・ギョンヒョプ議員「ありえないことが起きた」
国会外交統一委員会の共に民主党幹事であるキム・ギョンヒョプ議員が今月12日午後、国会で開かれた外交部などに対する外通委国政監査で、カン・ギョンファ外交部長官に質疑している/聯合ニュース

 朴槿恵(パク・クネ)政権が2014年の初めに米国と結んだ第9次在韓米軍防衛費分担協定(SMA)で、現金支援の増額を裏合意したにもかかわらず、同年6月の地方選挙を意識して秘密にしていたことが確認された。その対象になった米軍の特殊情報施設(SCIF)の敏感性と以前の第8次協定から“後退”した内容に対する批判世論を懸念して下した政治的決定だった。

 当時の交渉で米国側は、「特定軍事建設事業」に関しては軍事建設費のうち現金支援の割合を増やすことをしつこく要求した。米国が言及した特定軍事建設事業とは、設計や資材、施工、監理まで建設の全過程を米国企業が担当する先端保安施設の特殊情報施設(SCIF)を指す。 韓国側は交渉初期には米国の前例のない要求を重く受け止めなかったが、米国側が次第に圧力を高めると共に、要求を盛り込んだ具体的協定文案まで発表したことを受け、「受け入れ」(外交部)と「拒否」(国防部)で意見が分かれて対立していたという。

 韓国の交渉団が米国の要求に屈服せざるを得なかった決定的なきっかけは、交渉の最後会議(第10回)初日の2014年1月10日午後、大統領府で緊急招集された安全保障会議(NSC)だったことが明らかになった。同会議で政府の最高位の交渉責任者らが米国の要求を“裏合意”として受け入れることに決定した。その翌日、韓国交渉団は、防衛費分担の本協定文と2件の交換覚書(制度の改善、建設の履行)に加えて、軍事建設部門の現金支援の拡大を保障した裏合意書まで計4件の文書に仮署名し、交渉を妥結した。しかし、政府は後に国会に協定批准同意案を提出した際、本協定文と2件の交換覚書など3件の文書だけを提出し、裏合意書の存在と内容は一切報告せず、隠し通した。

 12日、共に民主党のキム・ギョンヒョプ議員は、国会外交統一委員会の国政監査でこのような事実を明らかにし、「想像もできないこと、あってはならないことが起きた」と話した。キム議員は「2014年2月、国会外通委の協定批准審議の際、シム・ジェグォン民主党議員の質疑に対し、ファン・ジュングク首席交渉代表(現駐英大使)が『国会に提出された3種の文書のほかに別途の事前協議はなかった』と答弁したが、これは明白な偽証だ」と問い詰めた。

 キム議員はさらに、「(韓国側が在韓米軍に現金支援の増額を約束した)特殊情報施設(SCIF)は韓国大統領と政府の中心人物らに対する盗聴や傍受、対北朝鮮通信傍受が可能であり、ここで収集された情報は米国本土の国家情報局(NSA)に直接報告され、そのような情報は韓国が共有したり、接近することもできない」と説明した。特に彼は当時、交渉過程で「韓国交渉チームもこのような事実を認知していたため、特殊情報施設の建設費の現金支援を本協定ではなく裏合意として盛り込んだ」と指摘した。

カン・ギョンファ外交部長官が12日午後、国会で開かれた外交部などに対する国会外交統一委員会の国政監査で、議員の質疑に耳を傾けている/聯合ニュース

 キム・ギョンヒョプ議員側が2013~14年当時、交渉過程と内容に詳しい複数の政府関係者から聞いた証言によると、当初国防部は「米国の要求を受け入れるなら、最初から本協定に明示しよう」と主張した反面、外交部は「それでは大変なことになる。国会批准が難しくなるうえ、6月の地方選挙を控えている」との理由で、本協定ではなく履行約定に盛り込もうと主張した。このような意見の対立は、結局、外交部が主導した安全保障会議で「米国の要求を裏合意で作成し、履行約定に明示」する方向で結論が出た。さらに、韓国交渉チームはこのような事実が絶対に外に知られてはならないとし、米国側にも「徹底した保安維持」を求めたという。履行約定は拘束力があるにもかかわらず、国会の批准や事前審査の対象ではない。

 これについて、同日の国政監査に出席したカン・ギョンファ外交長官は「(当時)政権が交渉の内容を国会と国民に透明に知らせる努力を怠ったのは事実」だとしたうえで、「指摘されたものを教訓にして次期(第10次)防衛費分担交渉チームを構成すると共に、交渉の参考にする。また、国会にも随時報告する」と述べた。

チョ・イルジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/814240.html 韓国語原文入力:2017-10-12 22:09
訳H.J(2085字)

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