ドナルド・トランプ氏の米国大統領当選で、在韓米軍の防衛費分担金の増額要求が強まると予想される中、韓国の負担レベルなどに関心が集まっている。
米国の最近の評価は、韓国が在韓米軍の駐留費用の50%水準を負担しているということだ。ビンセント・ブルックス在韓米軍司令官は今年4月、米上院承認聴聞会で2015年に韓国が出した分担金が8億800万ドルであり、これは在韓米軍の駐留費用の約50%に当たると証言した。
しかし、韓国国防部と市民団体の計算は全く異なる。すでに韓国は以前から在韓米軍駐留費用のうち、少なくとも65%以上、多くは70%以上を負担してきたということだ。防衛費分担金以外に土地や人員の提供、各種の手数料の減免など、直接・間接支援が追加的に提供されているからだ。
国防部の国会報告書によると、韓国政府が2010年に在韓米軍駐留費用として負担した額は、防衛費分担金7904億ウォン(約728億円)と直接・間接支援費8845億ウォン(約815億円)など合わせて1兆6749億ウォン(約1543億円)に達する。一方、同年米国が負担した在韓米軍の駐屯費用(米軍および軍属の人件費を除く)は8938億ウォン(約823億円)だ。韓国の負担割合が65%を超える。韓国の市民団体「平和と統一を開く人々」は「在韓米軍に供与された土地が公示地価の2.5~5%と低く評価されているため、実際の韓国の負担割合は70%を上回るだろう」と指摘した。防衛費分担金が今年9441億ウォン(約870億円)に達するなど、徐々に増えてきた事実を考慮すると、在韓米軍に対する韓国の支援の比重はこれよりさらに高まる可能性もある。
国会予算政策処が2013年に発表した「韓国・日本・ドイツの防衛費分担金比較」調査研究報告書は、韓国の分担金支援規模が世界最高水準だと明らかにしている。この報告書によると、2012年の防衛費分担金は韓国が8361億ウォン(約770億円)、日本が4兆4千億ウォン(約4053億円)、ドイツが6千億ウォン(約553億円)の水準だ。絶対的な規模では、日本が韓国より5倍も多い。しかし、国内総生産(GDP)基準の負担金の比重は韓国が0.068%で、日本(0.064%)やドイツ(0.016%)よりも高い。