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トランプ米大統領の発言で広がる朝米間の神経戦と北朝鮮の挑発

登録:2017-10-09 03:26 修正:2017-10-09 06:55
「前任大統領らの交渉の效果なく 
北朝鮮、米国の交渉者を笑いものに」 
トランプ大統領、機先制すため軍事オプションに言及 

最近訪朝したロシア議員 
「北朝鮮、米沿岸に届く未サイル試験を準備」
北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会第7期第2回全員会議が平壌で行われたと、朝鮮中央通信が今月8日付で報道した=平壌/朝鮮中央通信 聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が7日(現地時間)、過去の北朝鮮との交渉が効果がなかったとし、「ただ一つは効果があるだろう」と軍事的オプションをほのめかした。これと同時に、北朝鮮が米国本土を脅かす大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を準備しているというニュースも伝えられた。北朝鮮の労働党創建72周年の記念日(10日)を控え、米朝間の神経戦が続いている。

 トランプ大統領は同日、ツイッターへの書き込みで、「(前任)大統領たちと彼らの政府が25年間北朝鮮と対話し、多くの合意が行われて、莫大なお金も支払われた。しかし、効果はなかった」と主張した。彼は「合意はインクも乾く前に(北朝鮮によって)違反され、米国の交渉家たちを笑いものにした」とし、「残念だが、ただ一つは効果があるだろう」と書いた。

 トランプ大統領はその「だた一つ」が何なのかについては明らかにしなかった。彼は同日夕方、ノースカロライナ州のグリーンスボロで開かれた基金募金行事に出席するため、ホワイトハウスを出発する直前、「北朝鮮に効果を発揮できる一つは何か」という記者団の質問にも「近いうちに明らかになるだろう」と述べただけだった。ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官も、現在のところ、トランプ大統領の発言に付け加えるものはないと述べた。

 「ロイター通信」は「軍事行動を念頭に置いていることを暗示するものと見られる」と報じた。今月5日、トランプ大統領が軍指揮部と会合した後、軍服を着て堵列した将軍たちを指さしながら記者団に「これが何を示すのか分かるか。多分、嵐の前の静けさだろう」と述べたことと関連付けたのだ。

 しかし、トランプ大統領の今回の発言は戦略的曖昧さを用いた北朝鮮に対する脅しというのが大方の分析だ。北朝鮮が10日、労働党創建記念日を前後して弾道ミサイルの発射など挑発する可能性が取りざたされている中、先制的メッセージを送ったということだ。特に、中国にもっと確実に乗り出してほしいと遠回しに圧迫するものと見られている。

 今月2~6日、平壌(ピョンヤン)を訪問してロシアに帰国したロシアのアントン・モロゾフ下院議員は最近、「北朝鮮が新しい長距離ミサイル試験を準備している」と「ノーボスチ通信」に語った。他の議員2人とともに訪朝したモロゾフ議員は、北朝鮮官吏たちからこのような説明を聞いたとし、「彼らは米太平洋沿岸まで届く、より強力なミサイルに関する計算公式を見せたりもした」と話した。彼は北朝鮮の幹部が新しいミサイルの射程距離が1万2000キロに達すると説明したとも伝えた。これは米国の西海岸だけでなく、内陸の奥深くまで到達できる距離だ。北朝鮮が7月、2回に渡り試験発射した大陸間弾道ミサイルの火星-14型は、米国太平洋沿岸に到達できる能力を保有したものと評価されている。

 大統領府関係者は8日、北朝鮮のミサイル発射動向について「まだ静中に動ありの状況だと判断している」としながらも、「北朝鮮が様々な記念日に際して挑発してきた点を考慮すると、第1次核実験に乗り出してから11年を迎える9日か、労働党創建記念日の10日の間に挑発する可能性があり、注視している」と話した。9日(米国時間)は、米国の連邦記念日である「コロンブス・デー」でもある。チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長は先月27日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と与野党4党代表の晩餐会談当時、10月10日や18日(中国共産党全国人民代表大会)を前後して、北朝鮮の追加挑発が予想されると報告した。

パク・ビョンス先任記者、ワシントン/イ・ヨンイン特派員、イ・ジョンエ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/813663.html 韓国語原文入力:2017-10-08 22:43
訳H.J(1835字)

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