中国当局の「北朝鮮企業閉鎖」通告により、中国国内の北朝鮮レストランが一斉に店を閉めることになると見られる。
中国商務部と工商総局の28日付け公告は、北朝鮮の企業・個人が中国内に設立した合資・合作・外資企業をすべて来年1月初めまでに閉鎖させることにした。北朝鮮の対中国投資規模は大きくないが、中国の北朝鮮に対する相次ぐ強力な制裁信号が、朝中両国関係の変数に浮上した。昨年の韓国貿易協会資料によれば、2006~2015年の10年間、北朝鮮の対中国投資は2200万ドルで、年間投資額は2010年1120万ドル、2014年29万ドル、2015年7万ドルなど急激に減少し、事実上中断された状態であった。昨年33億ドル水準だった韓国の対中国投資規模とは差が大きい。
その中でも北朝鮮の投資が集中した食堂分野は直撃弾を受けることになると見られる。韓国貿易協会の資料によれば、北朝鮮は合資・合作・外資など多様な形態で北京に26カ所、上海に10カ所余りなど、中国全土に100カ所程度のレストランを運営してきた。公告どおりになれば、すべて廃業を免れないが、北朝鮮式レストランは金正恩(キム・ジョンウン)体制の主要“金脈”ではないため、影響は制限的であるという観測もある。
国連安全保障理事会(安保理)決議2375号が、北朝鮮の企業や個人とのジョイントベンチャーを禁止していることに加えて、中国が今回純粋な北朝鮮資本で設立された外資企業も閉鎖させることにしたことも注目を引いている。事実上、中国が独自制裁措置を取ったとも解説され、北朝鮮の追加的「挑発」に対する警告メッセージを発信したのだろうという分析も出ている。陸慷外交部報道官は29日、定例ブリーフィングで「関連公告は安保理決議履行のためのもので、過度な解釈をしないことを願う。中国は安保理の枠組みから外れるすべての独自制裁に対しては一貫して反対する」と述べた。しかし最近、中国銀行の対北朝鮮取引が中断されたというマスコミ報道が出てくるなど、中国の独自措置が見られているという観測もある。
今回の措置が11月のドナルド・トランプ米大統領の中国訪問、および米中首脳会談を控えてなされたということに注目する分析もある。成均中国研究所のイ・ヒオク所長は「米国のセカンダリーボイコットもありうるという判断をした中国の事前予備行動のようだ」として「中国が先制的措置をとることで米国からの圧力を減らすためのもの」と分析した。一方、亜洲大中国研究所のキム・フンギュ所長は「中国が強大国としてかつての胡錦濤時期とは異なり、北朝鮮核問題、朝鮮半島問題に対してより積極的に関与して牽引していくという信号と見ることができる」と話した。