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小説家のハン・ガン氏、NYTへの寄稿で「米国が戦争語れば韓国は身を震わせる」

登録:2017-10-09 03:20 修正:2017-10-09 06:46
「韓国人は北朝鮮の核実験の時も平然」海外メディアの指摘に 
「長年蓄積された恐怖、私たちの奥深いところにある」と反論 
「戦争起きても米国ではなく朝鮮半島」という米国暴言を非難 
「代理戦は望まない…平和ではない解決策は意味ない」
ニューヨーク・タイムズの10月7日付に、小説家の韓江氏の寄稿が掲載された。写真はニューヨーク・タイムズのホームページにある寄稿文のイメージ=ニューヨーク・タイムズのホームページからキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 「北朝鮮が核実験を行う時も、米国が北朝鮮に先制攻撃できるという報道が流れる中でも、韓国の学校や病院、書店、花屋、劇場、カフェはいつも通りに朝を始める。子どもたちは、黄色いスクールバスに乗り込み、窓越しの親に手を振っている。恋人は花とケーキを持ってカフェに向かう。ところで、この静けさが本当の韓国人たちがこのような状況に無関心であることを示しているだろうか?韓国人たちは本当に戦争の恐怖を超越したのだろうか? いや、そうではない」

小説家の韓江氏//ハンギョレ新聞社

 小説家の韓江(ハン・ガン)氏(47)が米日刊紙のニューヨーク・タイムズの7日付(現地時間)に「米国が戦争を語れば、韓国は身を震わせる」という題名の文を寄稿した。ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が言葉の爆弾を投げ合いながら朝鮮半島の戦争の恐怖を高めている最近の状況で、韓江氏は、海外メディアがいぶかしむように、韓国人たちが平然としているわけではないと指摘した。

 彼女は、寄稿文で「むしろ長い間蓄積された緊張と恐怖は私たちの奥深いところに入り込み、平凡な対話の中ですら一瞬その姿を現す」と書いた。彼女は「特に、最近数カ月間、私たちは緊張が次第に大きくなって行くのを目撃した」とし、「人々は家あるいは職場から最も近い防空壕を探し始めた。秋夕(中秋節)を控えて、これまで通り果物ではなく、懐中電灯やラジオ、救急薬、お菓子入りの『生存リュックサック』を贈り物として贈る人も増えた」と説明した。

 韓江氏は寄稿で、韓国人にとって戦争は近い人たちを脅かす“現実”だと強調した。彼女は「現実の戦争になるかも知れない、日増しにエスカレートしていく言葉の戦争を、私たちは恐れている。なぜなら、愛する人たちがそばにいるからだ。この半島の南には5000万の人々が住んでおり、そのうち70万人の幼稚園児がいるという事実は、私たちにとって単なる数字ではない」と記した。

 韓江氏は寄稿で、韓国戦争の際、米軍が民間人を殺した老斤里(ノグンニ)虐殺事件に言及し、「彼らが韓国の避難民を“人間以下”と見なしていなければ、そんなことが可能だっただろうか」と嘆いた。彼女は最近、米国から聞こえてくるニュースに「危ないほど慣れている」と指摘し、トランプ大統領の発言とされる「心配するな。戦争は米国では起きない。朝鮮半島で起きるだけだ」などを引用した。

 韓江氏は最近、トランプ大統領の「韓国は一つだけしか知らない」という発言を取り上げ、「そうだ。韓国人たちは本当に一つだけは知っている。平和ではない他の解決策は何の意味もなく、“勝利”とは空虚であり、途方もなく不可能なスローガンであることを」と反論した。朝鮮戦争を「列強によって朝鮮半島で行われた代理戦」とした彼女は、「再び代理戦が起きることを絶対に望まない人たちがここ朝鮮半島に住んでいる」と強調した。

キム・ヒョジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/813657.html 韓国語原文入力:2017-10-08 20:47
訳H.J(1616字)

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