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国家情報院、右翼「国粋映画」の企画・査察するエンターチームも運営

登録:2017-09-11 03:38 修正:2017-09-11 18:09
国情院の核心である情報保安局が情報を収集 
大手投資配給会社と監督などに接触し 
国情院の職務から逸脱した明白な違法行為
国情院のエンターチームはいかなる役割を果たしたか////ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)政権時代、国家情報院(国情院)が情報保安局傘下に「エンターテインメント」部門を設け、進歩性向の映画を作った映画人たちを査察し、右翼性向のいわゆる「国粋映画」の制作を企画したことが明らかになった。国情院のこのような活動は、国情院法の職務範囲を超えた明白な違法行為だ。

 「ハンギョレ21」が最近、映画界の関係者数十人の証言をもとに国情院関係者らを取材した結果、朴槿恵政権時代に映画界の関係者たちを査察し、これを根拠に映画界の制作・投資・配給など、映画産業全般に介入した国情院要員たちを意味する「国情院エンターチーム」の存在が確認された。エンターチームは、国内の情報収集業務を総括する情報保安局所属で文化界全般を担当するO処長(3級)の下でP氏とL氏などが要員として活動した。国情院の情報保安局は国情院内の主要部署で、当時局長はウ・ビョンウ元大統領民政首席秘書官に各種情報を直接報告したとの疑惑が持ち上がっているチュ・ミョンホ氏だった。

 映画関係者らは、国情院エンターチームが映画界を対象に現在制作中や制作予定の映画などに対する情報を執拗に収集したと口を揃えた。複数の映画界の関係者らは「国情院エンターチームは盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の人権弁護士時代を描いた『弁護人』(2013)に特に関心が多かった」と明らかにした。

 国情院は、関連情報を得るために主に大手配給会社と接触した。特に、エンターチームのP要員はある投資配給会社の役員と月に一度会い、映画界の動向を収集したことが確認された。これらの活動範囲は、ハリウッドの配給会社にまで及んだ。進歩性向の映画が国内の公的資金ではなく、海外の資金で制作されたからだ。

 国情院要員らは映画監督を直接呼び出して「愛国映画を作れば支援する」意向を明らかにするなど、右派コンテンツ制作にも乗り出した。特に「大統領が直接アクションもするヒーロー映画を作れば、30億ウォン程度は支援できる」としながら、映画制作を督励したことも分かった。

 このように収集された映画界の情報は、文化芸術界のブラックリスト作成の基になったと見られる。ある投資配給会社の役員は「一言でいうと、野蛮の時代だった。映画制作スケジュールを一々国情院が確認する時代に、創造経済や文化隆盛なんてあり得ない」と話した。このような疑惑について国情院側は「積弊清算の対象となる事件だ。関連内容などを綿密かつ広範に調べている」と明らかにした。

キム・ワン、チョン・ファンボン、ハ・オヨン「ハンギョレ21」記者、キム・ソンフン「シネ21」記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/810414.html 韓国語原文入力:2017-09-10 21:11
訳H.J(1305字)

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